毎年張り替えてほしい? 進化する人工芝【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第167回

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2025年05月23日 15:20  週プレNEWS

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球場の芝について語った山本キャスター

5月5日、元日本ハムの斎藤佑樹さんが北海道に「はらっぱスタジアム」という少年野球向けのスタジアムをオープンしました。野球の裾野を広げるための活動の一環で、開幕イベントには栗山英樹さんもかけつけ、大きな話題になりました。

【写真】山本キャスターのフォトギャラリー

球場を作るというのは、元野球少年が抱く大きな夢なのかもしれません。誰もが利用できる立派なスタジアムを作ることは、野球の未来につながる。困難を乗り越え、時間と労力をかけて夢を実現した姿には尊敬の念を禁じえません。

2023年には、DeNAの筒香嘉智選手が故郷の和歌山県に「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY(筒香スポーツアカデミー)」というスタジアムを建設しています。プロ仕様の本格的なスタジアムですが、注目すべきは内外野ともに天然芝を使用したことです。

近年では、コスト面からも人工芝が使用されることが多いのですが、メジャーの球場のほとんどが天然芝なので、筒香選手は天然芝にこだわったのかもしれません。スタジアム建設にあたり、筒香選手は約2億円もの費用を負担したと報じられています。

天然芝と人工芝を比べた場合、管理するのは天然芝のほうが圧倒的に大変です。日本でも、現在プロ野球のホームスタジアムで天然芝が使用されているのは、楽天モバイルパーク宮城、甲子園、マツダスタジアムしかありません。

人工芝のほうが多いのは、コスト面もそうですが、品質が変化したことも理由のひとつかもしれません。昔は人工芝といえば、足が引っかかってケガを誘発する、といった悪評もあったと聞きます。しかし近年では品質改良が進み、天然芝に近い品質のものが生まれています。

今年の3月1日に開業したジャイアンツタウンのスタジアムも、最新鋭の人工芝を採用していますね。また、エスコンフィールドの内野の天然芝が、2025シーズンから人工芝に張り替えられました。これは、メジャーリーグでも採用されている最新の人工芝を導入したそうです。

こういうニュースを目にすると、人工芝は天然芝に劣らないものになってきたのかな、と思います。先日、楽天からヤクルトに移籍した茂木栄五郎選手にインタビューした時、芝に関するお話を聞くことができました。

茂木選手曰く、楽天は天然芝で神宮球場は人工芝なので、内野を守っていると打球の"走り"が全然違うそうです。雨が降ったあとや季節によっても違うようで、アジャストするのが大変だったとか。やはり、そういった違いはまだあるようですね。

今年3月にMLBの開幕戦が東京で行なわれた時、私は毎日東京ドームに通って、朝から夜までずっとグラウンドにいました。取材が終わって家に帰ると、足腰に強烈な疲労を感じたんです。普通の地面とは違った感覚があって、そこに終日いたことで疲労が蓄積したんでしょう。これは私だけでなく、一緒に取材していたクルーのみなさんも口を揃えていました。これが天然芝だったらどうだったのかな、と少し思いました。

でも、先ほどもお話したように、人工芝は年々進化しています。メジャーでも人工芝のスタジアムが増えていますから、人工芝の安全性は高まっていると考えてよさそうです。

ヤクルトは2023年に人工芝を張り替えていますが、今シーズンは特にケガ人が続出していますし、できれば来年も張り替えてほしいと密かに思ったりして......。たくさん現地で応援して、少しでも資金面で貢献しなくては!と思ったのでした。

それでは、また来週。

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

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