「怪盗クイーン」内田雄馬が自身の役を分析 大和悠河「赤い夢の世界に浸ってほしい」

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2025年05月24日 18:28  コミックナタリー

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左からCocomi、加藤和樹、大和悠河、内田雄馬、はやみねかおる
アニメーション映画「怪盗クイーンの優雅な休暇(バカンス)」の公開記念舞台挨拶が、本日5月24日に東京・新宿バルト9で開催された。

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昨日5月23日に封切られた「怪盗クイーンの優雅な休暇」は、2003年に刊行されたはやみねかおるによる同名小説が原作。性別・年齢・国籍不明の怪盗クイーンが、過去に因縁のあるサッチモの挑戦状を受け、豪華客船で波乱の休暇を過ごすさまが描かれる。舞台挨拶には、クイーン役の大和悠河、ジョーカー役の加藤和樹、RD役の内田雄馬、イルマ役のCocomi、原作者のはやみねが登壇した。

まず話題に上がったのは、ジョーカーの幼少期の写真が映し出される冒頭シーン。大和は少し感慨深げに「クイーンはジョーカーくんに対して、親心みたいな、自分の子供のような気持ちがあるんです。ちっちゃい頃のジョーカーの写真を見たとき、クイーンとしては、きっと心が痛んだり、愛おしくなったりするんですよね。あの頃はかわいかったなあって思います」と語る。それに応えるように加藤は、「ジョーカーにとってクイーンって、育ての親的な存在でもあり、ライバルでもあり……超えるべき目標でもある。だから“友達”ではなく“パートナー”ってあえて言っているのかもしれません。距離感を保ちながら、尊敬してる。甘えすぎたくないから、線引きをしているんでしょうね」と続けた。

内田は、人工知能であるRDに感じた人間らしさについて「RDって、感情があるように思えるんです。最近はAIに『ヤッホー、元気?』って話しかけると返してくれたりもする時代ですし、RDみたいな最高性能のAIなら、そうした進化をしていても不思議じゃない」と分析。さらに「前作のときから感じていましたが、今作では特に反応やニュアンスに人間っぽさが増していて、演じるうえでより魅力的に見せられるよう意識しました。実はあのロボっぽい話し方も、RD自身がAIらしさの演出として選んでるのかもって思っていて。あれはあれで彼の個性なんですよね。RDは、本当に可能性のあるキャラクターだと思います」と説明を加える。この内田の言葉に、原作者のはやみねは「RDって、あのレベルまで来ると“人工知能らしく振る舞おう”という意識を自分で持っていてもおかしくないですよね」と頷く。「(先ほどの)加藤さんの話もそうだったけど、皆さんの解釈を聞いてると本当に勉強になります」と感心した様子で答えると、加藤は「いやいや、生みの親ですから!」と笑顔でツッコミを入れ、会場を和ませた。

Cocomi演じるイルマ姫は、国を背負い使命に向き合うキャラクター。そんなにイルマ姫ついてCocomiは、「最初はフレッシュで若いお姫様という印象だったんですけど、芯が強くて共感できる部分も多かったです」と話す。また、クイーンと出会ったときのイルマ姫のリアクションが印象的だったというCocomi。Cocomiは「推しに出会ったオタクみたいになっちゃって(笑)。興奮してテンションの差がすごくて……そこは本当に共感できました」と伝えながら、「ジョーカーと出会ったときは、ほかの人には言えなかった心の内を少しずつ打ち明けられるようになっていて。お姫様だからこそ抑えていた本音が、彼との交流の中であふれてくるのが印象的でした。RDには礼儀正しく接していて、立ち居振る舞いもしっかりしていたりと、イルマのいろんな面が見える役で、演じながらすごく面白かったです」と振り返った。

ジョーカーとイルマ姫のやり取りの中で、2人の個人的な部分が少しずつ見えてくるのも劇中の見どころの1つ。そんな2人の関係性についてCocomiが「恋愛というより、兄妹のようなつながりに近いかもしれません」と述べると、加藤は「2人にしかわからない空気感があると思います」と頷き、大和も「ケンカしながら少しずつ心が近づいていく感じがすてきで、ちょっとうらやましく思いました」と共感する。内田は「ジョーカーの思いやりをイルマがしっかりと受け止めているのがよいですね。クイーンも優しいけれど、それを見せないからこそバランスが取れているんだと思います」と語った。

MCからは、「イルマ姫って、ハンマーやチェーンソーを使ってますけど、ちょっとパワー系すぎませんか?」という質問が。それに対しはやみねは、「接近戦で一番強いのはツルハシだと聞きまして(笑)。イルマに何を持たせたら面白いかを考えたとき、自然とハンマーやチェーンソーに行き着いたんですよね」と答え、観客の笑いを誘う。また「怪盗クイーンの優雅な休暇」が22年越しに映像化されたことについて、はやみねは「最初はサーカスの話にクイーンを登場させて、子供たちに受け入れてもらえるか様子を見ていました。反応がよかったので、これはもう好きにやらせてもらおうと挑戦したのが『バカンス』です。当時、青い鳥文庫で一番長い物語を書いてみたいという思いもあって、かなりのボリュームになりました。最後に『読了認定証』を付けたら、それが子供たちにすごく喜んでもらえて。まさかその後、自分でその記録を更新することになるとは思いませんでしたけど(笑)」とコメント。そして映画については、「今回の映像を観て、クイーンを好きになってくれた方がまた増えたことがとてもうれしいです。でもイルマに『人間の常識ですよ』って言っておきながら、自分は暗殺者集団にまで恨まれてるって……どんなキャラやねんと(笑)。でも、そういうところを子供たちが楽しんでくれているのがありがたいんです」と述べた。

映画の見どころについて問われた大和は、「今日はアンジェリクをイメージした衣装で来ました。今回のクイーンは変装シーンも多く、アンジェリクになったときのメイクも紫で統一されていて、口紅までこだわっているんです。声のトーンも変えていて、クイーンが本気で役作りをしているのが伝わると思います」と回答。内田が「アンジェリクとジオットさんの掛け合い、何回見ても笑えますよね」と続けると、大和は「ジオットさんの絶妙なテンポ感が最高なんですよ。あのおじさん感がなんとも言えなくて」と笑いながら返す。加藤も「ほんと、ジオットには『ちゃんと仕事して!』って言いたくなりますよね(笑)」と乗っかり、会場は和やかな笑いに包まれた。

終盤では新情報を発表。6月2日には新宿バルト9で、スタッフトーク付きの上映会が開催決定。6月5日には新宿バルト9および大阪のT・ジョイ梅田で応援上映、6月7日には新宿バルト9でドレスコードありの上映会が実施されることも明かされた。

最後に大和は、「いよいよこの『怪盗クイーン』シリーズの2作品目が、こうして上映されて、私たちも本当にうれしく思っています。皆様のシリーズへの愛が、少しずつ実ってきているような気がしていて……。ぜひこの『バカンス』も、ご家族やお友達と一緒に何度も何度も観ていただけたら。原作の細かい要素が随所にちりばめられていますので、そうしたところもぜひチェックしていただきながら、あの赤い夢の世界に、何度でも浸っていただけたらうれしいです」と、感謝を込めてメッセージを贈る。会場は大きな拍手に包まれ、舞台挨拶は幕を閉じた。

(c)はやみねかおる・K2商会・講談社/「怪盗クイーン」製作委員会

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