第109回インディアナポリス500マイルレース 佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング) 5月25日(日)、アメリカのインディアナポリス・モータースピードウェイで伝統のレース『第109回インディアナポリス500マイルレース(インディ500)』が行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)が優勝を飾った。
今年は13日(火)から走行が始まり、18日(日)の予選でルーキーのロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)がポールポジションを獲得。日本の佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は自己ベストとなる2番手グリッドを確保した。
決勝日の天候はくもり。気温は18度で、スタート前に弱い雨が降って1時間弱のディレイとなるが、現地13時25分にペースカー先導でウォームアップランが始まった。
しかし、スコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)が単独スピンでウォールにヒット。早くもリタイアとなり、アンダーイエローで迎えた5周目にグリーンフラッグが振られた。
ホールショットはシュワルツマン。しかし後方で単独クラッシュが起きて早々にイエローに。10周目のリスタートでは、オワードがトップに立った。追う琢磨も11周目に仕掛けて首位浮上するが、19周目に雨量が増えてイエローが宣言される。
ここで上位の各車は最初のピット作業へ向かう。31周目、ステイアウトしたアレクサンダー・ロッシ(エド・カーペンター・レーシング)らを先頭にレースは再開。46周目には、ロッシらがピットへ向かって琢磨がリードへ復帰する。そして62周目には2度目のピット作業を済ませ、ここでは琢磨が首位を守った。
73周目、ロッシのマシンが突如煙を吐いてピットへ向かい、まさかのリタイア。さらに83周目には、ピットロード内でスピンクラッシュが起きてフルコースコーションが導入されるなど、荒れ模様は続く。このイエロー中の87周目に各車は3度目のピット作業へ向かった。
しかし、琢磨とシュワルツマンが停止位置をオーバーラン。琢磨陣営はタイムをロスしつつも作業をこなして中団に合流した一方、シュワルツマンはウォールにヒットしてマシンを破損しリタイアとなった。
92周目のリスタート時には、気温が17度に下がり、低速走行も相まってタイヤとブレーキが冷えやすいコンディションに。再開時には3台が絡むクラッシュが起きて再度イエローとなる。また106周目にリスタートを迎えたが、中団でスピンが起きたために、ここは不成立となった。
あらためて110周目に再開し、ステイアウト組のデブリン・デフランチェスコ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)らの後ろでピットイン組の争いが激化。コナー・デイリー(フンコス・ホーリンガー・レーシング)、デイビッド・マルーカス(A.J.フォイト・エンタープライゼス)、パロウらがバトルを展開する。
121周目にはデフランチェスコがピットへ入り、デイリーが首位へ。134周目には各車4度目のピット作業を着々と済ませていくなか、タイミングを遅らせていたライアン・ハンター-レイ(DRR-キュージック・モータースポーツ)がトップに立つ。さらに140周目にはハンター-レイがピットインするも、オーバーカットを決めてデイリーからトップを守ってみせた。
170周目ごろには、デイリーがペースをキープし切れずに苦戦しはじめ、マルーカスとパロウがパスすると、ここで上位各車はラストピットへ。しかし、ここでハンター-レイがコースインに手間取り、惜しくも優勝戦線から脱落してしまうこととなった。
優勝へ向けた展開作りが求められるラストスティントに入ると、パロウは早々にマルーカスをパス。ペースを上げ始めたオワードも背後に迫る。そして175周目には、ハンター-レイと近いスパンでピット戦略をこなしていたマーカス・エリクソン(アンドレッティ・グローバル)がオーバーカットを決め、パロウの目の前に合流して優勝争いのリードを奪った。
残り14周、各車がラストスパートのタイミングを図るなか、2番手パロウはエリクソンをパスし、早めに首位を奪い返す。以降、残り10周からはパロウ、エリクソン、マルーカス、オワードらが優勝争いの面々に絞られてきたが、後ろのふたりは仕掛けきれず、パロウとエリクソンの一騎打ちでファイナルラップへ。
周回遅れの2台が目の前を走るなか、パロウはターン1、2をクリーンに抜け、バックストレッチでは一気にインを絞って激しいバトルを演じたが、最終ターンを過ぎたタイミングで、後続のクラッシュによってイエローフラッグが掲示。パロウはそのまま悲願のオーバル初勝利、インディ500初制覇を達成した。琢磨は計51周の最多ラップリードを記録し、最終的には11位フィニッシュとなった。
https://twitter.com/IndyCar/status/1926741723469750465
[オートスポーツweb 2025年05月26日]