トップ独走中の悲劇。クアルタラロ「あの周まではすべてコントロールできていた」/第7戦イギリスGP 決勝

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2025年05月26日 08:50  AUTOSPORT web

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ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第7戦イギリスGP
 5月25日、2025年MotoGP第7戦イギリスGP MotoGPクラスの決勝がシルバーストン・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのアレックス・リンスは13位、ファビオ・クアルタラロはリタイアでレース終えた。

 大会初日、2日目とドライコンディションで行われたイギリスGPだったが、決勝日の朝のウォームアップ走行はウエット路面となった。しかし空からは明るく陽が差し、22台のマシンが走行を重ねることで路面はドライアップ。決勝レースは無事ドライコンディションで開催されることとなった。

 ポールポジションから決勝に臨んだクアルタラロは、最初の蹴り出しで2台のマシンに先行を許したが、そのうちの1台を駆るアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が1コーナーで転倒。2周目には先頭を走るマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)も転倒したことによりクアルタラロは再びトップに立ったが、同じタイミングでコース上にオイルが確認されたため赤旗となった。

 最初の3周を完了する前に赤旗中断となったため、再スタートは転倒したライダーも含めて最初のグリッドに戻して行われた。2度目のスタートでクアルタラロはフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)にホールショットを奪われるが、3コーナーでそのポジションを取り返すと2番手を1秒以上引き離してオープニングラップを完了。その後もクアルタラロは圧倒的な走りを見せ、11周目には2番手との差を4秒以上に広げて完全なる独走体制を築いた。

 しかし12周目、クアルタラロは突如手を上げてスローダウン。リヤのライドハイトデバイスにトラブルが発生しリタイアを余儀なくされた。自身3年ぶりの優勝が手からこぼれ落ちた瞬間、クアルタラロはフューエルタンクに顔を伏せ、悔しさをにじませた。

 チームメイトのリンスは、赤旗後のスタートでポジションを上げ10番手で最初のコントロールラインを通過。2周目に順位を14番手まで下げると、その後は大きくペースが上がることはなく、レース終盤まで同じような位置を走行した。

 14番手で迎えたファイナルラップでリンスはひとつ順位を上げて13番手に顔を出したが、直後に2台にかわされ15番手に転落。そのままチェッカーを受けた。しかしレース後に他車にペナルティが科された影響でリンスは13位に繰り上がり、3ポイントを獲得した。


ファビオ・クアルタラロ(決勝:リタイア)

「素晴らしいレースだったが、残念ながらリヤハイトデバイスに技術的な問題が発生した。これは“自分たちのレース”だったと思う。全てが順調だった。プッシュすべき場所も、風を考慮してブレーキングを少し強めに行うべき場所も分かっていた。あのラップまではすべてコントロールできていた」

「今日成し遂げたことについては、満足していることもある。バイクは今までで最も良い状態だった。乗っていてとてもスムーズに、とても速く走っていると感じた。だからもっとチャンスがあるはずだ。一歩前進できたと感じている」

「まだ十分ではないが、チームはどんどん強くなってきている。今日は素晴らしいレースができた。キャリアのなかで最高のレースとまでは言えないが、ここ3、4年の中では最高だろう。もちろん本当に残念ではあるけれど、前向きに頑張らなければならない」


アレックス・リンス(決勝:14位)

「最初のレースのスタートは大混戦となり、大きく順位を下げてしまった。再スタートではうまく飛び出し、いくつかポジションを上げることができたが、そのあとリヤタイヤがなかなか温まらず苦戦した。ファビオも(ジャック)ミラーも問題なかったのに、なぜ僕はこうなったのか原因を探る必要がある。中盤から終盤にかけては彼らと同等のペースで走れるようになったのだが、序盤はそれができなかったため早々に遅れてしまった。またバニャイアが転倒したときに危うく当たりそうになり、そこでもまた大きく離された」

「このように厳しい戦いだったがポジティブな気持ちは失っていない。ヤマハは懸命にハードワークを続けており、去年と比べれば大幅に進歩していることは明らかだ。それによってモチベーションは保たれており、今日のことについては、ただレース序盤の苦戦の原因を追求するだけだ」

[オートスポーツweb 2025年05月26日]

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