キョンキョンがアラ還の恋に悩み、阿部寛が世相を斬る大物キャスターに……と、大人世代にフォーカスした作品が豊富な春ドラマ。本誌ドラマウオッチャーたちが共感した、女性にオススメの作品を徹底討論!
30代編集N(以下、N):4月期のドラマも中盤に入ってますます盛り上がっていますが、いかがですか?
50代記者H(以下、H):私は、なんてったって、11年ぶりに帰ってきた、小泉今日子と中井貴一がW主演する『続・続・最後から二番目の恋』ですよ。第2期まで全部見ていたので、主要キャストも世界観もまったく変わっていないのがうれしかったなあ。
30代記者S(以下、S):坂口憲二なんて、ほとんどテレビで見ていなかったから、本当に久しぶり。
N:私は今回初めて見たんですけど、こんなに面白いなんて驚きました。穏やかに流れている時間が心地よいし、ほかのドラマにはない会話劇が見どころですね。
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H:そうそう、キョンキョンが演じるテレビ局のプロデューサーの千明と、中井貴一が演じる鎌倉市役所で働く和平、男女を超えた友情を育んでいる2人のコミカルな掛け合いがファンにはたまらないのよ。千明は相変わらずチャーミングで、とても定年間近には見えないし、生真面目で不器用な和平の人のよさは、年を重ねてさらに増しているような気が(笑)。
S:下の世代から見ても、将来、ああいう素敵な大人になれたらいいなあと思います。とにかく、小泉今日子と中井貴一の演技が素敵だなあって。
N:わかります! ’90年代の“トレンディ俳優”の肩の力が抜けている感じがいいんですよね。
H:それに、今回から登場した石田ひかりや三浦友和のキャラクターもとても魅力的。千明も和平も新しい恋の予感があって、今後の展開が楽しみです。やっぱり、いくつになってもときめいていたいと思うもの。
N:日本のドラマって、海外と比べて大人世代のラブストーリーが少ないという印象ですけど、こういうドラマだったら、私たち世代も見やすいです。
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S:また、その世代ならではの悩みや葛藤と、それとどう向き合っていくかが描かれていますよね。
H:そうなの。登場人物が、われわれの世代に近い ので、自分ごととして見られるのがこのドラマの魅力ですね。内田有紀と飯島直子が演じる和平の妹たち も、脚本家と専業主婦と道は違うけれど、それぞれに今後の人生を模索し、答えを見つけようと奮闘している。その姿には共感するし、元気をもらいます。
N:ドラマとして完成度が高い作品ですね。
S:今期は話題性が高いドラマが多いなか、阿部寛が型破りなキャスターを演じる『キャスター』は、2ケタ台の視聴率をキープ中です。周囲を引っかき回す感じや、阿部寛が一人、神的な視点から物事を見ているところは、『ドラゴン桜』に共通しているなあって(笑)。
H:確かに。登場人物が、阿部寛扮する進藤の手の上で転がされている感はあるね(笑)。スポーツ賭博や万能細胞の発見など、近年、現実に起きている事件を題材に報道番組の舞台裏が見られるのも面白い。
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S:ミステリー好きとしては、『魔物』が好きです。殺人、不倫、暴力、ベッドシーンと刺激的な内容とスリリングな展開が面白いし、何よりも塩野瑛久の顔が美しすぎる! 麻生久美子扮するクールな弁護士がほだされてしまうのもわかるなあ。きれいな男が“魔物”に豹変する姿は、怖いけどゾクゾクします(笑)。
H:また、麻生久美子もきれいなのよ。塩野瑛久と実年齢が16歳も離れていると思えないほどお似合い。
N:韓国の制作会社との共同制作だからなのか、ファッションやメークの色使いが韓国っぽいところも注目しています。視聴率でいえば、内野聖陽主演の『PJ 〜航空救難団〜』も好調ですね。
S:航空自衛隊全面協力なので、画に説得力があるんです。訓練生役の若手俳優たちもしっかりトレーニングして体を作ってきているので、その本気度が画面からにじみ出ているところが視聴者の胸を打つのかと。
H:内野聖陽演じる教官の熱血指導ぶりが強烈。声を張り上げて全身で訓練生と向き合う姿は、ただ厳しいだけでなく、愛情たっぷりなところも感動します。
N:アラフィフ、アラ還世代が活躍する作品が目立ちますが、ママ世代を描くドラマも良作ぞろいです。多部未華子が専業主婦を演じる『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』は、見逃し無料配信サービス「TVer」の「いいね!」の数がずば抜けて多いんですよ。
S:リアルタイムでドラマを見られない主婦が利用しているのかも。専業主婦、働くママ、育休中のエリート官僚パパ、と登場人物の人物描写が丁寧なので、いいドラマだなあと思いながら見ています。
H:北川景子が復讐相手の子どもを誘拐した主人公を演じる『あなたを奪ったその日から』も見応え十分。愛娘を亡くした母親の怒りや孤独を全身全霊で演じているの。子役との演技を見ていて思わず涙が……。
S:北川景子自身、実際に母親なので気持ちが入るんでしょうね。物語の展開も緊迫感があって面白いです。
N:先が読めないといえば、『失踪人捜索班 消えた真実』は、姿を消していた妻が戻ってきたけれど、警察を巻き込んだ大きな闇とどう闘っていくのか。
H:チームプレーで走ってきた捜索班の今後の闘いぶりと、町田啓太と小泉孝太郎のバディに注目!
N:医療ドラマは『Dr.アシュラ』と『天久鷹央の推理カルテ』、ともに天才気質の医師を描いています。
H:『Dr.アシュラ』は、松本若菜演じる救命医が次々と難しいオペも成功させて患者の命を救う姿に圧倒される。そのすさまじい熱意の源も気になるところ。
S:小雪扮する形成外科医も登場して、ビジュ強めですよね。『天久鷹央の推理カルテ』は、不可解な事件や超常現象の謎まで解き明かすところが新感覚。医療版シャーロック・ホームズとうたっているのも納得です。
N:ドラマの舞台として描かれてこなかった仕事が見られるのも面白いです。大企業の人事部を舞台にした『人事の人見』は、松田元太が主演する注目作です。
S:おバカでピュアな人見というキャラは、松田元太のまんまだし、もし、彼が会社にいたらこんな感じなんだろうなあって(笑)。古い体質が残る大企業のさまざまな問題が、人見が思いつくぶっ飛んだ方法で解決していく展開は、気楽に見られて楽しいです。
N:『イグナイト -法の無法者-』は、訴訟をたきつけて大金を稼ぐダークな弁護士の話です。手段は無法でも、最後はいいところに着地するのがいいですね。
S:間宮祥太朗の熱血漢もハマっています。個性豊かな弁護士たちがスタイリッシュな黒のスーツ姿で法廷に登場する姿は、ダークヒーロー感がありますね。
H:芳根京子主演の『波うららかに、めおと日和』は、昭和11年を舞台に、交際ゼロ日婚から始まる新婚ラブコメ。主人公のなつ美と夫の瀧昌の距離が徐々に近づいていく様子が初々しくてたまらない(笑)。
S:ストレートな恋愛ドラマも、時代背景を変えると面白く見られるなあって思いました。とにかく、瀧昌役の本田響矢の軍服姿がカッコよすぎますよ!
【編集部が選ぶBest3】
1位『続・続・最後から二番目の恋』
2位『魔物』
3位『あなたを奪ったその日から』
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