『めおと日和』本田響矢演じる“瀧昌”はなぜ魅力的? 優しさゆえの“狙っていないモテムーブ”など魅力を考察

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2025年05月29日 09:10  クランクイン!トレンド

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本田響矢  クランクイン!
 4月期のドラマで多くの視聴者を沸かせているキャラクターといえば、間違いなく『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系/毎週木曜22時)で本田響矢が演じている江畑瀧昌がトップレベル! いったい、なにがそこまで私たちを惹(ひ)きつけるのか、その魅力を考察していこう(文=於ありさ)。

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■瀧昌のかわいすぎる一面

 西香はちによる同名コミックが原作となっている本作は、主人公の江端なつ美(芳根京子)が、突然舞い込んだ縁談から帝国海軍に勤める江端瀧昌と婚約。しかし結婚式当日、瀧昌が仕事のため来られなくなり、旦那不在の中で結婚式を挙げるという波乱の幕開けから始まるストーリーだ。

 帝国海軍の中尉という肩書、そして自分の結婚式よりも仕事を優先するという真面目っぷり。1話の冒頭に瀧昌を知った際には、堅物なキャラクターなのだろうかという印象を受けた。

 そう思ったのも、結婚式から2週間後、やっと海軍の演習を終えた瀧昌が、なつ美と初対面を果たしたシーンでは、あまりにも無表情で無口。「それでは行きましょう」とおもむろに歩き出し、自分のペースで住居を整えていくのであった。

 しかも、素直に「おいしい!」「うれしい!」を言葉に出せない瀧昌の精一杯の愛情表現は「問題ありません」の一言。これにはなつ美も「大丈夫だったかしら?」といささか不安になっている様子が見受けられた。

 しかし、瀧昌はただ不器用で、女性との交流経験が少ないだけ。内心はなつ美のことをかなり思っており、モノローグとのギャップがかわいらしい。

 特に1話で、お互いのことを名前で呼び合おうと言ったのにも関わらず「なつ美」の3文字を呼ぶのにも一苦労するまでの感情の機微は、見ているこちら側も照れてしまうほど。「スマートに振る舞っているように見せて、こんなことを思っているなんて!」と視聴者はそのかわいらしさに悶(もだ)えてしまうのだ。

■狙っていないモテムーブにキュン

 瀧昌は不器用ではあるものの、優しさが凝縮されたような人間。それゆえに、たまに悪気なく、なつ美をキュンとさせるモテムーブをかましてくることがある。

 例えば、第3話にて、2人は初めて家の近所を散歩する。その中で、なつ美が段差につまずいて転びそうになるシーンがあるのだが、この時に瀧昌はとっさになつ美の腕をつかむのだ。これだけでもキュンとするのに、まさかのその流れで「危ないから」との口実で手をつないでくるのだ。ただ、これはなにもなつ美をキュンとさせたくてやっていることではない。とにかく「危ないから」という思いからとった行動だというのが、なんともたまらない。

 また5話では、なつ美に洗濯物を預けた後、両手を包み込むように「いつもありがとう」と伝えた瀧昌。この時代、今では想像できないレベルで「男は仕事! 女は家事! 旦那の留守中には家を守れ!」という考えが根付いていたことだろう。そんな中で、家事を「当たり前」のものとせずに「やってくれてありがとう」の精神を持っているなんて、いったいどんなお育ちをしたら、こんな清らかな心で入れるのだろう…。

 結局、優しくて思いやりのある男性は、いつの世も魅力的だと確信した瞬間だった。

■余裕がなくなった時の姿もたまらない

 無口で無表情、どこか鉄壁な印象のある瀧昌だが、実はかなり嫉妬しやすいことが、ここまでの物語で明らかになっている。

 例えば、4話でなつ美の幼なじみである瀬田(小宮璃央)と妹のふゆ子(小川彩)が2人の家を訪れた際、瀧昌は瀬田に対して嫉妬心をむき出しに。ことあるごとに「妻が」となつ美は自分のものであることを強調。2人はマウントを取り合うような会話を繰り広げる。

 それに対してなつ美は、2人が仲良く打ち解けているものと勘違い。瀬田に対して「ずるい!」と思い、苦いお茶を出すなどしてささやかな復讐をする。それを瀬田が察して耳元で指摘するのだが、これを見てしまった瀧昌は気が気ではない。

 2人が帰宅した後「先ほど彼と何の話をしていたのですか?」と問い詰める瀧昌。しかし、なつ美は2人の仲睦まじい姿を見て「ずるい」と思ったなんて恥ずかしいからと隠そうとするのだ。すると、瀧昌は後ろからなつ美に覆い被さるような体勢になって「言って」と詰問。そして、なつ美からことの真相を聞いた後で、少しだけ安堵の表情を浮かべ「あんまり他の男と仲良くしないで」と言うのだった。

 普段は敬語なのに、こんなときだけタメ口になるなんて! 優しいのに余裕がなくなると男らしさをむき出しにするなんて! いや、もうこれを天然でやっているとしたらあざといを通り越して、憎すぎる!

■本田響矢だからこその瀧昌

 そして、最後に、瀧昌を演じるのが本田で本当に良かったと、回を重ねるごとに実感している筆者。最近はキャスティングを決めてくれた人に対しての感謝が止まらない。

 正直なところ、くっきりとした二重、キリッとした眉毛、スラリとしたスタイルの本田に対しては“イマドキの男の子”という印象を持っていた。

 というのも、本田のデビューのきっかけは2016年に開催された「男子高生ミスターコン」でグランプリを受賞したこと。まさに“イマドキの男の子”に送られるべき賞を受賞しているという印象が強くあったのだ。

 さらに、筆者の中でどハマりした本田の出演作といえばABEMAオリジナルドラマ『ANIMALS‐アニマルズ‐』であった。ここで本田が演じたのは、ちょっぴり生意気な年下のカメラマン風緒。年上のヒロイン(鈴木愛理)にタメ口で、しかも「海ちゃん」呼びなところを含めて、非常に見応えのある、言葉を選ばずにいうと年下胸キュン男子の権化のような存在だった。

 そこから比べると時代背景も、性格も真逆なように思える瀧昌。しかし、本田は確実に瀧昌という役をものにしている。それはセリフやキャラクターの性格もそうだが、前髪を上げたONモードのときと、家や休日での前髪を下げたOFFモードのときで印象を変えられる、多彩なビジュアルをものにできるのも強みの1つであろう。

 意外にも『波うららかに、めおと日和』がプライムタイムの地上波連続ドラマ、初レギュラーである本田。確実に彼は、今回の作品でシンデレラボーイとしてのチケットを掴んだと言っても過言ではない。今後、どんな役で出会えるか今から楽しみだ。

 ドラマ『波うららかに、めおと日和』はフジテレビ系にて毎週木曜22時放送。
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