元F1ドライバーのアレクサンダー・ブルツ、FIA会長選挙に出馬か。現会長の再選に反対する人々が支援する可能性も

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2025年05月29日 18:20  AUTOSPORT web

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グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の会長を務めるアレクサンダー・ブルツ
 12月12日にウズベキスタンの首都タシケントで行われるFIA総会でのFIA会長選挙について、立候補者リストに元F1ドライバーでGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)会長のアレクサンダー・ブルツが追加されたようだ。

 F1モナコGPの週末に、現FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、すでに誰もが知っているように、職務継続のため選挙に立候補する意向を表明したが、元ラリー界のレジェンドであるカルロス・サインツ・シニアや、経験豊富なFIAの重鎮だったティム・メイヤーに続き、ブルツの名前も会長選挙の立候補者に加わったとされている。

 アメリカ人のメイヤーは、昨年オースティンで開催されたF1アメリカGPのスチュワードを務めたが、その際にビン・スライエムとの間に確執が生じた。アメリカGPのレース後、マシンがまだクールダウンラップ中だったにもかかわらず、観客がコースに侵入するインシデントがあった。この件への対応のなかで、メイヤーは、レース主催者に対する安全違反の調査から自らを除外。その理由について、自身がレース主催者委員会の一員であったため利益相反があったと主張した。その後ビン・スライエムは、それ以降のF1イベントからメイヤーを外すことを決めた。

 メイヤーは自身の計画についてほとんど明かしていないが、舞台裏で活動を行っており、モータースポーツUK会長のデビッド・リチャーズやFIAのスポーツ担当副会長のロバート・リード、そしてなかでもカルロス・サインツ・シニアの支援を受けながら、世界中の連盟や自動車クラブとのつながりを拡げていた。メイヤーはFIA会長選挙への出馬を検討していることを認めたが、最も重要な支持者が誰であるかは明らかにしていない。

 今ではブルツの名前が取り沙汰されているが、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)のリーダーである彼は、モナコでこの可能性を否定しなかったものの、認めることもしなかった。元ドライバーとして、ブルツはトヨタのレーシングプログラムとのつながりを持っており、道路安全、サーキット設計などの経験も兼ね備えている。ブルツは万能な候補者とみなされており、ビン・スライエムの再選に反対する人々はみな、当選の可能性を高めるためにビン・スライエムに対抗する候補者は1名だけにすべきだという点で意見が一致しているため、ブルツは総意による候補者となる可能性もある。

 一方でビン・スライエムは、モナコで次のように述べた。

「FIAのような複雑な連盟で3年間を過ごすのは十分ではないと思う。もっと時間が必要ではないだろうか? それはイエスだ。これは容易だったか? 一度もそのようなことはない。楽しめるだろうか? 時々はそうだ。そのため、私はほぼすべてのメンバーと相談して、選挙に立候補するつもりだ。私は彼らと話しをしている」

 またビン・スライエムはかつて商業権所有者に対して抗議し、次のように述べていた。

「FIAにとって不当な取引がなされてきた。ひとりのドライバーとひとりのチーム代表が、FIA全体よりも多くの収入を得ているのに、FIAが選手権を所有しているというのは私には理解できない。これは公平なことだろうか?」

「私はFIA内部をクリーンにしたので、そこには誠実な人々がいる。私はもはや背中をナイフで刺されてはいない。こうした否定的なことすべてについて、『ああ、彼は予測不可能で、大きな物議を醸す人物だ』と言われる。彼らがしていることや言っていることを、私はまったく気にしていない。私にとって重要なのは、常にメンバーに関することだけだ」

[オートスポーツweb 2025年05月29日]

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