6年ぶりの全国ツアー『サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025「THANK YOU SO MUCH!!」』より 写真/西槇太一 サザンオールスターズが29日、6年ぶりとなる全国ツアー『サザンオールスターズ LIVE TOUR 2025「THANK YOU SO MUCH!!」』の千秋楽を東京ドームで開催。アンコールを含む28曲を熱演した。
午後6時30分、東京ドームの客電が落ちると約5万人の拍手が一斉に湧き上がり、ライブはスタートした。サポート陣に続き、野沢秀行、関口和之、原 由子、松田 弘、そして最後に桑田佳祐が登場。ギターを肩に掛け、丁寧にお辞儀をしながらマイクの前に立ち、軽くギターを鳴らしたあとに歌い出したのは「逢いたさ見たさ 病めるMy Mind」。1982年発表の『NUDEMAN』収録曲で、もどかしい恋心を描いたこの曲が、長年のファンの心を揺さぶり、新世代リスナーをも惹きつける。アウトロでは桑田が「THANK YOU SO MUCH!」とツアータイトルを叫び、野沢のカウベルが高鳴ると「ジャンヌ・ダルクによろしく」へ。真紅の幕が割れ、銀テープと照明が会場を華やかに彩り、ドームは一気に熱狂の渦へと変わった。
前半のハイライトは「愛の言霊〜Spiritual Message〜」。割れんばかりの歓声の中、燃え盛る炎とブラス隊の重厚なアレンジ、繰り返される“抒情詩”が魂を揺さぶった。続く新曲コーナーでは、桑田の「10年ぶりのアルバムをリリースいたしました!『オリコン1位』をいただきました!」の言葉とともに、オリコン週間アルバムランキング(3/31付)で初登場1位を獲得した『THANK YOU SO MUCH』のジャケットが映し出され、「桜、ひらり」「神様からの贈り物」といった新曲が披露された。特に「桜、ひらり」では淡い桜の映像が会場を包み、被災地への祈りと希望が表現された。さらに「神様からの贈り物」ではモータウンビートと軽快なギターが高揚感を誘い、スクリーンには尾崎紀世彦や坂本九、永六輔ら偉大な音楽人の映像が映し出され、サザンの音楽が歴史の中に息づくことを示した。続く「史上最恐のモンスター」や「暮れゆく街のふたり」、そして「風のタイムマシンにのって」では江ノ島の海辺の映像と爽やかな風がドームに広がった。
アンコールは「Relay〜杜の詩」で静かに再開し、「東京VICTORY」では全員が腕につけた“THANK YOU SO MUCHライト”を一斉に灯し、ドームが光の海に変わった。「希望の轍」では“茅ヶ崎ライブ2023”の映像が映し出され、過去から未来への物語を繋いだ。最後は「勝手にシンドバッド」で大団円。ジャビットくん&シスタージャビットちゃんらも登場し、桑田の感謝の言葉とともに、全国47都道府県のライブビューイング参加者(15万人)を含めた約75万人を動員した全国ツアーは幕を閉じた。