RSC王者ウィル・ブラウンが、自身2度目となるNASCARカップシリーズ参戦プランを発表 名門トリプルエイト・レースエンジニアリング(T8)で大先輩の後継者に指名され、昨季2024年は見事にRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップを制覇したシリーズチャンピオンのウィル・ブラウンが、自身2度目となるNASCARカップシリーズ参戦プランを発表。今季7月に開催されるシカゴ市街地での第19戦『グラント・パーク165』にカウリグ・レーシングからエントリーする。
すでに昨夏のソノマ・レースウェイにて、リチャード・チルドレス・レーシング(RCR)からNASCARデビューを果たしているブラウンは、改めてレギュラーのタイ・ディロンやA.J.アルメンディンガーに並び、3台目のシボレー・カマロZL1を用意するKaulig Racingから自身2度目のカップ戦に挑む。
「SVG(シェーン-ヴァン・ギスバーゲン)が2023年のNASCARシカゴ初開催レースで優勝するのを見て、昨年ソノマで自分でもドライブする機会を得た。そのときから、この『グラント・パーク165』に挑戦したいと思っていたんだ」と意気込みを明かしたブラウン。
「今季はスーパーカーのカレンダーが調整されたことで、早めにシャーロットへ行き、準備を整えてレースに挑戦することができそうだ。カウリグ・レーシングの動向を注視してきたし、チャレンジを支えてくれるモバイルXとショー・アンド・パートナーズ・ファイナンシャル・サービスの13号車をドライブできることを楽しみにしている」
今回の契約は1レース契約となり、クイーンズランド州出身のブラウンは前年夏のソノマで練習走行から3番手発進という好調なスタートを切った。しかし予選と決勝では電気系統のトラブルにより、その活躍は限定的なものとなった。
迎え入れるチームオーナーのマット・カウリグも「カレンダーの中でももっとも権威のあるレースのひとつで、優勝を狙う素晴らしい機会だ」とブラウンの挑戦を歓迎した。
「ウィル(・ブラウン)が我々とともにレースに参戦し、トロフィーを争ってくれることを大変うれしく思っている。チームは準備万端だし、彼には真の才能があると確信している」
チームはカップシリーズでわずか2勝しか挙げていないが、どちらもアルメンディンガーがロードコースで達成している。一方のブラウンは、オーストラリアでSVGの後任として名門T8に加入して以来、好調を維持しており、36回の参戦中34回のトップ10フィニッシュを記録。シカゴ・ストリートレース初開催時に、衝撃的なデビューウインを飾ったSVGの背後では、ジャスティン・ヘイリーのドライブでカウリグ・レーシングのカマロが2位に入ってもいた。
「2024年の挑戦は電気系統のトラブルで少し残念な結果に終わったが、正直に言って期待していた結果が得られなかったし、また戻ってきたい気持ちが強くなっていたんだ」と明かした26歳のブラウン。
「シカゴは多くのドライバー、とくにオーストラリア出身のドライバーが参加したいイベントだと思う。市街地戦はここオーストラリアの主要イベントのひとつで、年間を通して何度も開催される。だから、シカゴがカレンダーに載り、シェーン(ヴァン・ギスバーゲン)が優勝したときは、多くのドライバーが参加したいと感じたはず。だから、ぜひ挑戦したいしトラックに出て走れるのが楽しみなんだ」
そのカウリグ・レーシングは、昨季よりトラックハウス・レーシングチームと契約を結んだSVGにとっても、2024年にNASCARエクスフィニティ・シリーズへフル参戦の武者修行を担当した古巣でもある。
「彼らと提携できたことは素晴らしいことだし、彼らにサポートしてもらえるのもうれしいね」と続けたブラウン。
「ただ、期待も野心もあまり抱いてないんだ。シェーンの活躍は見てきたし、ロードコースでの彼のパフォーマンス、そして彼の競争力の高さも見てきた。『優勝できる』と言って行くつもりはない。もちろん優勝したい気持ちはあるけれど、できる限りの競争力を発揮するために行くつもりさ」
[オートスポーツweb 2025年05月30日]