“ダンサー”田中泯、人間国宝役に大きな衝撃「80になるまで伝統に触れず生きてきた」

1

2025年05月30日 18:26  ORICON NEWS

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

人間国宝役に大きな衝撃が走ったと明かした田中泯 (C)ORICON NewS inc.
 ダンサー・舞踊家で俳優としても活躍する田中泯が30日、京都・東寺で開かれた「映画『国宝』ジャパンプレミア」に登壇し、人間国宝の歌舞伎役者を演じたことへの衝撃を語った。

【集合ショット】あまりに豪華すぎ!吉沢亮&横浜流星らがドレスアップして登場

 世界遺産にも登録されている真言宗総本山教王護国寺(東寺)は、映画の題名と同じく国宝の金堂、五重塔、御影堂をはじめ、重要文化財の講堂、南大門など貴重な堂宇が建つ。金堂に主演の吉沢亮をはじめ、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中、渡辺謙ら出演者が登壇すると、会場に訪れたファンからは歓声とどよめきが響いた。

 田中は劇中で演じた、当代一の女形であり、人間国宝の歌舞伎役者・小野川万菊を「自分がやってたのが信じられない」と回想した。暗黒舞踏の第一人者である舞踊家・故土方巽に支持し、ダンサーとしても活躍した田中。さらに自身を「とにかく、桁外れの門外漢」と称し「やってはいけないことかもしれないとドキドキするような仕事を何ヶ月間してました」と振り返った。

 続けて「いまだに僕の中では終わった気がしてない。いわゆる伝統と呼ばれている芸能に80になるまで触れないで生きてきて、僕は生活の中にそういうものが全部あるだろうと思い込んできて、自分に言い聞かせ、前に行こうと生きてきた人間」と語り、「どれくらいショックが大きかったかご想像できるかと思いますけど、ぜひ、映画の中で僕の中身をちょっと想像してご覧になってもらえれば」「(吉沢と横浜)2人の努力は壮絶です。伝統のためにもきっとなると思います」と話した。

 本作は、黒衣として3年間歌舞伎の世界に身を置き、その体験をもとに執筆した吉田修一氏による小説を、李相日監督の手により映画化したもの。任侠の一門に生まれながら、歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・喜久雄(吉沢)が、芸の道に人生を捧げ、やがて“国宝”と称される存在になるまでの50年を描く、壮大な一代記。

 物語は、抗争によって父を亡くした喜久雄が、上方歌舞伎の名門・花井家の当主である花井半二郎(渡辺)に引き取られたことから始まる。喜久雄は、半二郎の息子であり、名門の跡取りとして育てられた俊介(横浜)と出会い、兄弟のように、親友として、そしてライバルとして、ともに芸に青春を注いでいく。天賦の才を持つ喜久雄と、歌舞伎の血統を受け継ぐ俊介の対比も作品の見どころのひとつとなる。

    ニュース設定