
恋愛、コメディ、ミステリーにホラー。この世の中にはさまざまな物語があるけれど、もっとジャンルレスに楽しみたい人もいるのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、人間の心の闇が渦巻く、いっぷう変わったミステリー×ダークコメディです。ずっと疎遠になっていた姉妹が久しぶりに再会したら……妹がカルト的な人物に洗脳されていた!?
毎週金曜は各配信サイトで観られるオススメ作品を紹介する日。
今週もよく頑張った……週末はおうちでゴロゴロしながら、Netflixドラマ『セイレーンの誘惑』を観て、カウチポテトになっちゃお〜!
【あらすじ】
たったひとりで父親の介護をしていた姉・デヴォンは、長年疎遠になっていた妹・シモーネに助けを求めますが、帰ってきたのは「元気出して」のメッセージのみ。
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仕方がないので、SNSを手がかりにシモーネが暮らしている場所に向かってみると、なんとそこは富裕層しかいない絶海の孤島!! しかもシモーネは、セレブな動物保護活動家・ミカエラの住み込み秘書としてカルト的な生活を送っていたのです。
シモーネとミカエラのただならぬ関係を見て「これはヤバイ」と直感したデヴォンは、どうにかしてシモーネを連れて帰ろうとするのですが……。
【ココが見どころ!】
<その1:謎が謎を呼ぶ展開>
シモーネは圧倒的カリスマ性をもち、富裕層たちの教祖のように振る舞うミカエラに深く心酔していました。
それだけならまだしも、一緒のベッドで眠ったり、噛んでいるガムをシェア(!!)し合ったりと、常軌を逸した関係を築いていたのです。どこからどう見ても共依存であり、それを隠そうともしていませんでした。
もはやこの時点で不穏なのに、物語が進むごと、さらに不穏な出来事が───。
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島の住人が失踪するわ、「実はミカエラは夫の前妻を殺した犯人である」という疑惑が浮上するわ、謎が謎を呼ぶ展開が待ち受けています。2転3転する物語に引きこまれて、いつしか目が離せなくなっていることでしょう。
<その2:それぞれが抱える心の闇>
本作はミステリーでありながら、人間の心の闇に迫るヒューマンドラマでもあります。
たとえばデヴォンはアルコール依存症に悩んでいるし、シモーネは過去のある経験から父を深く恨んでいました。一見なんの悩みもなさそうなミカエラも、夫に対して異様な執着心を抱えているようです。
苦い記憶が引き起こす、確執と依存。心の空白を埋めたくてもがく登場人物たちを見ていると、自分を見ているような気持ちにもなってきて、なんともいえない心情になります。
<その3:5話で終わるタイトな構成>
ここまで読んで、すでにお察しの方もいると思いますが……本作は非常に濃ゆい物語です。
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にもかかわらず、1話あたり約1時間×全5話とものすごくタイトなんですよ。ストーリーもテンポよく進行するため、あっという間に完走できちゃう! だからこそイッキ見に超おすすめなんです。
【豪華キャストにもご注目!】
本作のタイトルにもなっているセイレーンは、美しい歌声で船乗りを惑わす存在、としておなじみです。
ということは、デヴォン、シモーネ、ミカエラのうちの誰かが「セイレーン」ということなのでしょうか。いったい誰が、なにが、セイレーンなのか……鑑賞した者同士でこの点を議論しあうのも楽しそうです。
また本作はキャストも豪華でして、ジュリアン・ムーアさんやケヴィン・ベーコンさんといった大御所俳優たちも出演しています。ほかの追随を許さない圧倒的な存在感にも魅了されてしまうことでしょう。
■今回ご紹介した作品
Netflixドラマ『セイレーンの誘惑』
2025年5月22日より独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ (c)Pouch
Photo:Courtesy of Netflix © 2025、Macall Polay/Netflix © 2025