将棋の第83期名人戦7番勝負の第5局を終え、対局を振り返る3連覇した藤井聡太七冠=30日夜、茨城県古河市 将棋の藤井聡太名人(22)=竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑戦する第83期名人戦7番勝負の第5局が29、30日、茨城県古河市で指され、千日手指し直しの末、先手の藤井七冠が171手で勝った。藤井七冠は4勝1敗とし、名人戦3連覇を決めた。
これでタイトル獲得通算29期となり、歴代4位の渡辺明九段(41)の31期にまた一歩迫った。
対局2日目の30日午前、両者手詰まりとなり千日手に。第4局から異例となる2局続けての千日手指し直しで、ライバル同士の力のこもった戦いとなった。
指し直し局は終盤、永瀬九段が攻勢をかけたが、藤井七冠が粘って逆転、深夜11時すぎに及ぶ激闘を制した。藤井七冠は終局後、「最後の最後まで苦しい局面が続いた」と疲れをにじませ、「シリーズを通して難しい局面でいろいろ考えられたのは充実した時間だった」と振り返った。永瀬九段は「要所で間違えてしまったかなと思う」と語った。