【漫画】陰キャJK、まさかの展開!? リアルなラブコメ『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった』

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2025年05月31日 08:00  リアルサウンド

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『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった 〜俺の曲を歌ってくれ!〜』(佐糖アメ)

 推しの歌い手が自分の曲を歌っている――。音楽制作が趣味の冴えない男子高校生と、実はフォロワーを多く抱える歌姫である陰キャ女子高生を中心にした漫画『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった』がXで人気だ。


 本作は『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった 〜俺の曲を歌ってくれ!〜』の第1話。その制作裏について、作者・佐糖アメさん(@ame_sugarless)に語ってもらった。(小池直也)


参考:【漫画】『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった 〜俺の曲を歌ってくれ!〜』を読む


――Xでいいねが1.4万以上のバズとなっています。どこが読者に刺さったと思いますか?


佐糖アメ(以下、佐糖):「陰キャで冴えない主人公とヒロインが、音楽でバズる」というギャップに好感を持っていただけたのかなと思います。多くの方に反応していただけて嬉しかったです。


――印象的な感想などはありますか?


佐糖:特に印象的だったのは、「自分も音楽をやっているから主人公に共感できた」という感想。音楽に詳しくない方にもラブコメとして楽しんでもらえるように意識しているのですが、音楽に取り組まれている方の心にも届いたことは励みになりました。


――ご自分も音楽制作をされていたのですか。


佐糖:はい、私自身も学生時代はDTMに夢中になっていました。ボーカロイドが大好きで「自分の作った曲を初音ミクに歌ってもらいたい」という気持ちから始めました。それをきっかけにDTMの楽しさに引き込まれていったんです。


 あとは歌うことも好きだったので、登場人物は「DTMをやっている男の子」と「歌が上手な女の子」の組み合わせにしようと。「スクールカースト底辺の両者が音楽という場で輝く」という物語を描いてみたかったんですよね。


――仮ボーカル音源が流れてしまうハプニングは、制作者としてヒヤッとしてしまう瞬間だと思います。


佐糖:あれが自分だったらと考えただけで絶望的ですね……(笑)。仮ボーカルや未完成のまま流れてしまう恥ずかしさや焦りはよく理解できます。


 だからこそ、あのシーンはリアルな感覚を込めて描きました。創作や表現って「人に見られる・聞かれる恥ずかしさ」と向き合う瞬間があると思うんです。その怖さや踏み出す勇気を伝えられたらという気持ちもありました。


――ストーリー作りでこだわった点、苦労した点があれば教えてください。


佐糖:特に気を付けたのはテンポ感。あとは「このキャラを応援したい!」と思ってほしいので、各キャラに葛藤や成長のドラマを持たせています。とはいえ話が重くなりすぎたら読みにくくなるし、逆に軽すぎても心に残らないので、その調整には気を使いました。


 またストーリーの要素としてDTM、歌い手、青春、スクールカースト、ラブコメと色々な内容を盛り込んでいるので、全体のバランスを取るのも難しかったです。


――主人公・黒瀬君や氷ノ守さん(icy)にモデルはいますか。


佐糖:どちらにも特定のモデルはおらず、自分の趣味や好みがそのまま反映されています。黒瀬君は自分の一部のような存在で、氷ノ守さんは「最高のツンデレヒロイン像」という理想を詰め込みました。


 ただ実際に描いていくなかで、実在のアーティストさんのインタビューやラジオも聴くようになり、キャラの性格面で影響を受けた部分もあります。


――具体的なアーティストでいうと?


佐糖:YOASOBIさん、ヨルシカさん、米津玄師さん、くじらさん、Eveさん、Adoさん、ダズビーさん、鹿乃さんなど。音楽性だけでなく、考え方や表現への姿勢にキャラ作りのヒントをもらっています。


――作画のこだわりについても教えてください。


佐糖:キャラの感情がしっかり伝わるように、表情や目の描き方には時間をかけています。あとは歌や音楽のシーンは静止画でも熱量や抑揚が感じられるように、コマ割りやトーンの使い方も工夫したり。目指すのは音楽が聴こえてくるような演出です。


――今後『隣の席の陰キャ女子が推し歌い手だった 〜俺の曲を歌ってくれ!〜』はどう描いていきますか。 


佐糖:これからキャラたちの関係性がさらに深まっていきます。恋愛面では互いを意識し始めたドキドキ感をドラマティックに表現しつつ、音楽ユニット「ツナグオト」としては支えあって成長する姿を描いていけたらと思っています。


 あとは合宿編でそれぞれの背景が少しずつ明かされたので、今後は彼らが過去や弱さと向き合い、苦難に直面しても前に進もうとする姿を丁寧に描写できれば。読んでくださった方の心に、優しい余韻とほのかな熱が残るような作品にしたいです。


(文・取材=小池直也)



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