宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)
5月31日、2025年FIA F2第6戦バルセロナのスプリントレース(決勝レース1)がスペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットで行われ、リチャード・フェルシュフォー(MPモータースポーツ)が今季2勝目を飾った。
宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は13位でチェッカーを受け、スプリントレースを終えている。
第6戦決勝レース1のグリッドは5月30日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したレオナルド・フォルナローリ(インビクタ・レーシング)が今季2度目のリバースポールを獲得。フロントロウ2番グリッドにジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が並んだ。
セカンドロウ3番手はポイントリーダーのルーク・ブラウニング(ハイテックTGR/ウイリアムズ育成)となり、4番手以降はジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)、フェルシュフォーが続いた。
予選で5番手タイムを記録したアレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成)は、第5戦モンテカルロのフィーチャーレース、第6戦のフリー走行においてビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)と接触し、13グリッド降格ペナルティが科されている。よって19番グリッドから、第6戦の初戦を迎えることとなった。
タイヤ交換義務のない26周もしくは45分+1周のスプリントレースは、日本時間21時15分(現地時間14時15分)に気温29.5度、路面温度48.5度、快晴のドライコンディションのなか、フォーメーションラップを経て幕を開けた。
3番グリッドのブラウニングが抜群の蹴りだしをみせ、一気にフォルナローリ、デュルクセンを攻略。そのままホールショットを奪ってトップとなり、2番手にクロフォード、3番手にフォルナローリが続いた。
13番グリッドの宮田もスタートでポジションアップを果たし、8番手につける。最終ターン14ではリンドブラッドとサイド・バイ・サイドでバトルを繰り広げ、7番手に浮上してオープニングラップを終えた。
さらに2周目のホームストレートでは、前方を走行するロマン・スタネ(インビクタ・レーシング)のイン側につけ、ターン1で勝負を仕掛けていく。スタネをパスした宮田は6番手にポジションを上げた。
一方、ブラウニングの背後には2番手クロフォードが迫り、4周目のターン5でトップの座を奪取する。クロフォードは2番手ブラウニングに対するギャップを1秒前後で保ちながら、周回を重ねていく。
クロフォードを先頭に17番手のマルタンスまでがDRS圏内のトレイン状態となり、ここからセッションはしばし膠着状態となった。
セッション折り返しを迎えた13周目、4番手を走行するデュルクセンがペースを落とし、そのままピットに戻ってしまう。
これによって宮田が5番手に浮上する後方では、8番手争いを繰り広げるフェルシュフォーとリンドブラッドがターン1で接触。リンドブラッドはスピンを喫して一時マシンを止めてしまい、19番手に後退した。
その後、フェルシュフォーはジョセップ・マリア・マルティ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)を仕留め、一時7番手に浮上する。しかしマルティが負けじと抜き返し、7番手争いはマルティに軍配が上がった。
そんななか、10番手争いを繰り広げるガブリエレ・ミニ(プレマ・レーシング/アルピーヌ育成)とモントーヤがターン1で接触する。モントーヤは走行を再開したが、ミニがコースサイドで停止し、18週目にセーフティカー(SC)が導入された。この間にフェルシュフォー、ダン、リンドブラッドら数台がオプションタイヤ(ソフトタイヤ)に履き替えを行った。
21周目にリスタートを迎え、クロフォード、ブラウニング、フォルナローリ、クッシュ・マイニ(ダムス・ルーカスオイル/アルピーヌ育成)、宮田というトップ5オーダーとなるなか、10番手のフェルシュフォーを筆頭にタイヤ交換を行ったドライバーが次々にポジションを上げていく。
フェルシュフォーは5番手宮田の背後まで迫り、22周目に宮田を攻略する。ポジションを落とした宮田はその後ダンにも先行を許し、7番手に後退してしまう。
快走するフェルシュフォーはトップのクロフォードまで追いつき、24周目のターン1で暫定首位に浮上する。続いてダンもクロフォードをかわして2番手となり、クロフォードは3番手となった。
その後クロフォードはラファエル・ヴィラゴメス(ファン・アメルスフォールト・レーシング)に先行を許し、4番手に後退。ヴィラゴメスが3番手に浮上するなかファイナルラップを迎え、26周を終えたフェルシュフォーがトップチェッカーを受け、今季2勝目を飾った。
2位にダン、3位にヴィラゴメスが続き、22番グリッドから3位表彰台を掴んだヴィラゴメスは、自身初のFIA F2表彰台登壇となった。
モントーヤに攻略された宮田は入賞圏内となる8番手の座を守っていたが、オプションタイヤ勢の猛攻を抑えきれず。13番手でチェッカーを受け、スプリントレースを終えている。
2025年FIA F2第6戦バルセロナのフィーチャーレース(決勝レース2)は日本時間6月1日17時00分(現地時間10時00分)より、タイヤ交換義務を有する周回数37周、もしくは60分+1周で争われる。
■2025年FIA F2第6戦バルセロナ スプリントレース正式結果
Pos./No./Driver/Team/Time/Gap
1/6/R.フェルシュフォー/MPモータースポーツ/42'00.288
2/17/A.ダン/ロダン・モータースポーツ/0.380
3/25/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/8.334
4/11/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/11.473
5/14/V.マルタンス/ARTグランプリ/12.504
6/7/L.ブラウニング/ハイテックTGR/13.365
7/1/L.フォルナローリ/インビクタ・レーシング/14.071
8/4/A.リンドブラッド/カンポス・レーシング/14.325
9/22/S.メゲトゥニフ/トライデント/16.494
10/16/A.コルデール/ロダン・モータースポーツ/16.610
11/9/S.モントーヤ/プレマ・レーシング/16.619
12/21/C.シールズ/AIXレーシング/19.516
13/15/宮田莉朋/ARTグランプリ/20.245
14/3/J.マルティ/カンポス・レーシング/21.358
15/8/D.ベガノビッチ/ハイテックTGR/23.006
16/12/K.マイニ/ダムス・ルーカスオイル/23.818
17/2/R.スタネ/インビクタ・レーシング/24.161
18/5/O.ゲーテ/MPモータースポーツ/24.763
19/23/M.エスターソン/トライデント/1Lap
-/20/J.デュルクセン/AIXレーシング/4Laps
-/10/G.ミニ/プレマ・レーシング/DNF
-/24/J.ベネット/ファン・アメルスフォールト・レーシング/DNF
・ファステストラップ:#17 アレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/マクラーレン育成):1分29秒506(25/26) 187.308km/h
・ペナルティ:#9:5秒ペナルティ/接触要因
[オートスポーツweb 2025年05月31日]