
6月1日は気象記念日。1875年(明治8年)6月1日、東京・赤坂葵町(現在の港区虎ノ門)に日本初の気象台・東京気象台(現在の気象庁)が設立され、日本の気象業務が開始されました。150年後の現在、気象観測はめざましい発展を遂げ、予報や予測の精度も上がり、今では私たちの生活にはなくてはならないものになりました。TBSではどんな天気番組が放送されていたのでしょうか?(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)
【写真で見る】1957年(昭和32年)に放送開始した「ホモちゃんの天気予報」
観測と解析の積み重ね…気象予報の礎を築いた150年気象予報士 森 朗氏:
今年で気象業務が開始されてから150年なんですが、いかに観測が大事かという展示になっています。
先日、上野の国立科学博物館で行われている気象業務150周年企画展「地球を測る」を訪れた森さん。“測る”をテーマに陸・海・空・宇宙・自然現象などありとあらゆるものを観測が展示されていました。
日本の天気予報はここから始まった!!1875年(明治8年)6月1日、東京・赤坂葵町に日本初の気象台である東京気象台(現在の気象庁)が設立され、日本の気象業務(地震観測、気象観測)が開始されました。
|
|
設立から8年後の1883年には天気図の作成が始まり、さらにその翌年、1884年6月1日には初めての天気予報がスタート。1日3回発表された全国の天気予報は東京市内(当時)の交番等に掲示されました。
その後、新聞にも掲載された天気予報。
福沢諭吉が創刊した「時事新報」には一目でわかる絵による天気予報が表示されました。
「晴れ」女性の頭上に太陽
「虹」折りたたんだ傘を手にした女性の後ろに虹
「雪」は蓑傘を着て歩く男性
「雨」マントを着て傘をさす男性
「くもり」暗い背景に座る男性
気象予報士 森 朗氏:
よく見てみると「晴れ」と「晴れる(虹)」があるんです。
天気の変化まで入れているのが面白いです。
TBSで一番最初に放送された天気予報は何だったのでしょうか?
|
|
1955年(昭和30年)にテレビ放送を開始したTBS。1957年(昭和32年)にTBS初の天気予報番組「ホモちゃんの天気予報」がスタートしました。森永乳業のキャラクター「ホモちゃん」と文字情報で天気を伝えるというものでした。
ママさんキャスターが優しく教えてくれる「お天気ママさん」1964年には「お天気ママさん」がスタートしました。初代「お天気ママさん」のTBSアナウンサー(当時)大沢嘉子さん。母親が子どもに語りかけるような優しい口調で天気予報を伝える演出がなされました。
「お天気ママさん」は東京・千代田区の気象協会内にある特設スタジオで、放送された番組です。大沢アナウンサーは日本気象協会の係員と打ち合わせをし、その後リハーサル。そして午後6時55分から放送にのぞんだといいます。
時には子どもに向けて、動物で天気をわかりやすく伝えるコーナーもあったそうです。
こちらは後に「動物天気」を再現した写真。実際の天気図を動物たちで表現しています。
トラは低気圧、尻尾は前線、鳥は晴れ、蛙は雨を表していたそうです。
現在は天気予報も細分化され、欲しい時に欲しい情報がテレビやインターネットから得られるようになっています。
|
|
気象予報士 森朗氏:
今年で気象業務が開始されてから150年。始まった当初から地道にありとあらゆるところで観測と解析を繰り返してきたその一つ一つの積み重ねが、まさに今の私たちの生活に不可欠な高精度な予報等につながっているんです。