2025年F1第9戦スペインGP 角田裕毅(レッドブル) 2025年F1第9戦スペインGPの初日から苦しんでいた角田裕毅(レッドブル)のペース不足は、結局土曜日になっても解決されなかった。
「クルマのグリップレベルが全体的に僕の予想とは大きく異なる感覚なんです。何度も『貼り付いたような感覚』になるよう解決を試みましたが、根本的な解決策にはなりませんでした。残念です」(角田)
土曜日の午後12時半から始まるフリー走行3回目に向けて、角田はエンジニアたちとともにセットアップを変更していた。しかし、チームメイトのマックス・フェルスタッペンとコンマ5秒以上の差をつけられ、14番手に終わった。
金曜日の夜に行ったセットアップ変更がうまくいかなかったのか? しかし、角田は問題はそれではないと言う。
「セットアップの問題ではないと思います。もちろん、クルマを改善するためにフリー走行でいろんなセットアップを試したことは確かです。でも、それらのいいところをうまくまとめられたと思っています。だから、クルマのバランスはそんなに悪くはありませんでした。予選のQ1のアタックも、2セットのタイヤともミスすることもありませんでした。なのに、順位が上がらない」
ヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は「フロアが旧仕様なのでQ3は厳しいだろう」と覚悟していたが、予選はQ3はおろかQ2へも駒を進められなかった。しかも、最下位の20番手。この結果に、フロアに問題があったのではないかと指摘する者もいる。角田はそれも否定した。
「最後のコーナーで、少しアグレッシブに運転しましたが、乱暴な運転ではなかったと思います。だから、フロアに損傷を与えたとは思っていません。他の多くのドライバーもそこを通過していましたから」
20番手だったら、いっそのことセットアップを変更してピットレーンからスタートするという選択肢はないのか? それも角田は否定した。
「もし、セットアップに問題があったり、クルマのどこかが壊れているのなら、そこを直せば問題は解決しますが、データを見る限り、問題はそこではないようなので、セットアップを変更してもゲームチェンジにはならないと思います。ただただ、クルマがコースのあちこちで滑りまくっているという状況なんです」
ピットレーンスタートを選択しない限り、基本的なセットアップの変更を行うことはできない。つまり、日曜日のレースも厳しい現実が待っている。
「全力を尽くして、できればポイントを獲得したいですが、現実的には金曜日のフリー走行でのロングランのペースを見るとかなり厳しいと思います」
問題解決の糸口が見つからないまま、レッドブルでの7戦目のレースが始まろうとしている。
[オートスポーツweb 2025年06月01日]