2025年F1第9戦スペインGP シャルル・ルクレール(フェラーリ) 2025年F1スペインGPの予選で、フェラーリのルイス・ハミルトンは5番手、シャルル・ルクレールは7番手という結果だった。ルクレールは、決勝重視のタイヤ戦略を選択したことが、予選結果に響いた。
Q1ではふたりともソフトタイヤ2セットを使用。ただし、ルクレールは2セット目ではウォームアップラップの後にピットインしている。
Q2ではハミルトンは1回のランで通過し、Q3にソフトタイヤ2セットを残すことができた。Q3の1回目アタックでは暫定6番手、2回目のアタックラップで自己ベストタイムを更新し、5番手を獲得した。
ルクレールは、決勝のためにミディアムタイヤを2セット温存する選択をした。それに伴い、FP3でソフトタイヤ2セットを使用し、予選を迎える時点で残した新品ソフトタイヤのセット数は他の大部分のドライバーより少なかった。そのためルクレールは、Q3では早い段階で新品ソフトで1周のみアタックするという、他とは異なる戦略を採った。
ルクレールは暫定4番手タイムを出した段階で、予選を終了。そのため、Q3終盤にアタックしたドライバーたちに抜かれ、ルクレールは最終的に7番手となった。
チーム代表フレデリック・バスールは、ルクレールのタイヤ戦略について、次のように説明した。
「週末の初めから、我々はシャルルと共にレースを優先する戦略的な決定を行い、ミディアムタイヤを2セット温存することを選んだ。さらに、今日アウトラップとインラップのみで使ったソフトタイヤ1セットをレース用に残すことにし、予選では一部パフォーマンスを犠牲にすることを決めた」
「決勝には気温が上がり、タイヤのデグラデーションが高くなることが予想されているため、我々の決断が報われるものと信じている」
バスールはチームとルクレールが共同でこの戦略を決めたと言っているが、ルクレールは、自分の単独の決断であり、うまくいかなかった場合は自分だけの責任だと述べている。
■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリHP)FP3 3番手(1分13秒130/17周)予選 7番手(Q1=6番手1分13秒014:ソフトタイヤ/Q2=7番手1分12秒495:ソフトタイヤ/Q3=7番手1分12秒131:ソフトタイヤ)
「予選は難しいものになると分かっていた。他のドライバーが5セットの新品ソフトタイヤを持っていたのに対し、僕たちは4セットしか持っていなかったんだ。でもそれは自分たちが下した選択だ」
「明日のレースは7番手からのスタートになるが、良い戦いができると思っている。レースペースは良さそうだし、周囲のドライバーとは異なるタイヤ選択肢を持っている。この決断が報われるかどうか、明日見ていこう」
(タイヤ戦略について『Sky Sports F1』に対して語り)「予選が難しくなることは最初から分かっていた。チームは違うやり方を推していたから、責任は自分が負うよ。自分の選択に満足している」
「今日を犠牲にしたわけだ。それが明日報われるといいね。報われなければ、それは僕の責任だ」
「目標は表彰台だ。レースペースは強力だと思う。あとは、どれだけオーバーテイクできるかにかかっている」
■ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリHP)FP3 9番手(1分13秒527/17周)予選 5番手(Q1=11番手1分13秒058:ソフトタイヤ/Q2=5番手1分12秒447:ソフトタイヤ/Q3=5番手1分12秒045:ソフトタイヤ)
「FP3は理想的とは言えなかったが、予選で5番手を獲得したことから、この3連戦の初戦以降、進歩したことが分かる」
「マシンのフィーリングは良かった。明日はすべてをかけて表彰台を狙いにいくつもりだ。上位10台のタイム差がわずかコンマ数秒という僅差なので、熾烈な戦いになるだろう」
「今夜もまだやるべきことはあるが、集中を切らさず、レースに向けてしっかり準備を整える」
[オートスポーツweb 2025年06月01日]