宝塚歌劇団の星組トップ礼真琴(れい・まこと)が1日、兵庫・宝塚大劇場で、退団公演「阿修羅城の瞳」「エスペラント!」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。
本編後のサヨナラショーは、赤のきらびやかな衣装で登場。19年「ロックオペラ モーツァルト」より「道を開けろ、僕が通る Place je passe」のソロで幕を開けた。
ショー前のメッセージでは、柚希礼音、北翔海莉、紅ゆずるら、歴代トップの名前を挙げ、「すばらしい方々の元で過ごした経験が私を育ててくれた」。
トップとして無我夢中で駆け抜けた日々を「1人じゃないと思わせてくれる星組生、付いてきてくれるファンの皆さんが救ってくれた」といい、舞空瞳、愛月ひかる、瀬央ゆりあらに感謝。「星組はまだ通過点」とし、次期トップ暁千星に「次のバトンを渡せることをうれしく思います」と思いを寄せた。
最後は「みんなでダンスを!」と声をかけ、星組生全員で「RRR×TAKA“R”AZUKA〜√Bheem〜」より「エッタラジェンダ Etthara Jenda」をにぎやかに歌い上げた。暁と肩を組んで歌い、客席おりも行われた。
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サヨナラショーを終えると、最後の本拠地大階段下りは、正装のはかま姿。暁と同期のひろ香祐から花が手渡された。
「自分が卒業するとき、世界中はどうなっているだろう。ちょうど5年前のステイホームの期間中、ひとり家でそんなことを考えました。1日でも、日常が取り戻せますようにとただただ祈り続けました」とコロナ禍に見舞われ、舞台の上演がままならなかった日々を回顧。
自身の最後の日は、仲間やファンの最高の笑顔があふれていることを思い描いたと明かし、「今、現実となり、満ち足りた気持ちで今日を迎えられ感謝いたします。愛にあふれた宝塚大劇場に立たせていただくのは今日で最後になりますが、すべての関係者の皆さま、いつも最高の笑顔で熱い拍手で盛り上げてくださるお客さま。いつも全身全霊で付いてきてくれた仲間たちと、東京公演の最後まで成長していけるよう、私らしく体力と筋力を使って駆け抜けて参ります。本当にありがとうございました」とあいさつした。
6回のカーテンコールに応じ、「仲間の思いが本当にうれしくて、幸せな1日でございました。これまで星組生を送り出してきましたが、こんな気持ちだったんだな、こんな景色だったんだなと無事に千秋楽を終えられた」としんみり口調で話していたのが一変、「東京公演が40日間まだあるなと思ったときに、すんと涙が引っ込みました。気合を入れ直して、お江戸に向かいます」と軽妙なトークで笑いを誘った。
また、同日に退団する白妙なつらとともに「星組パッション」と声を上げ、盛り上げた。
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礼にとって、宝塚最後の作品となる今作。「阿修羅城の瞳」は、劇団☆新感線との初コラボ作で、いのうえひでのり氏が原作演出。安倍晴明の一番弟子で鬼殺しを担う「鬼御門」のかつての一員、病葉出門(わくらばいずも)に扮(ふん)し、次期トップ暁千星が演じる女泥棒、闇のつばきとの、人と鬼との壮絶な恋物語を演じている。
一方、「エスペラント!」には、110年の伝統の先へと続く新たな宝塚レビューを、という願いを込め“希望を胸に抱く人”を意味してタイトルを命名。青い星に光の差し込む中、きらびやかな衣装で登場して魅了している。
ラスト作は宝塚公演を終え、東京宝塚劇場で6月28日に開幕。東京千秋楽の8月10日をもって退団する。
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