2025年GB3第3戦レース2 りー海夏澄(ヒルスピード) 5月31日にベルギーのスパ・フランコルシャンで開催されたGB3第3戦レース2(ラウンド8)にて、 りー海夏澄(かなと)がポール・トゥ・ウインでGB3初優勝を飾った。
現在17歳の海夏澄は海外レースに参戦する若手日本人ドライバーのひとりだ。12歳から単身渡英してレーシングカートに参戦すると、2021年にはIAMEユーロシリーズでジュニアタイトルを獲得。2022年に四輪デビューを飾ると、2023年イギリスF4で2勝しシリーズ7位、2024年からはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ(FRECA)を主戦場とし、同年にはマカオGPのFIAフォーミュラ・リージョナル・ワールドカップにも参戦した。
2025年はフォーミュラ・リージョナル・ミドル・イースト選手権(FRMEC)にも参戦して1勝を飾り、日本勢最上位のランキング8位につけた。また、FRECAとバッティングしない日程で、ヒルスピードからGB3にスポット参戦している。
GB3はかつてBRDCイギリスF3として開催されていたジュニア・フォーミュラシリーズだ。2025年はシルバーストン、ブランズハッチ、ドニントンパークといったイギリス国内に加え、ザントフォールト、スパ・フランコルシャン、ハンガロリンク、モンツァといったグランプリコースで全8大会24レースが開催される。
マシンは2025年シーズンより導入されたタトゥース製『MSV GB3-025』シャシーに、280馬力を発するマウンチューン製2リッター4気筒自然吸気エンジンを搭載。タイヤはピレリタイヤというパッケージで競われ、今回のスパ・フランコルシャン大会には23台がエントリーした。
海夏澄は予選Q2において2分13秒740をマークし、2番手に0.382秒差をつけてレース2のポールポジションを獲得した。ただ、決勝のスタートでは蹴り出しが悪く後退。一方、同じく日本人ドライバーの山越陽悠(ヒルスピード)が4番グリッドから2番手に浮上し、オープニングラップ後半には山越と海夏澄の2番手争いが展開された。
2周目のケメルストレートで山越をかわし2番手に浮上した海夏澄は、続けて首位のアレックス・ニノビッチ(ロダン・モータースポーツ)の背後につくと、4周目のケメルストレートでニノビッチをかわし、首位の座を取り戻した。
そこからは安定したレースペースを刻み、一度もトップの座を譲ることなく、海夏澄がトップでチェッカーを受け、GB3初優勝を飾った。中継映像には入らなかったが、表彰式の際にはスパ・フランコルシャンに君が代が響いた。
なお、11周を予定していたレース2は、サーキットの時間制限に伴い2周短縮の9周終了でチェッカーとなった。また、一時は2番手に浮上した山越は5位でチェッカーとなった。
「ようやく勝つことができ本当に嬉しいです。この週末はずっとペースが良かったですし、ようやくそれをまとめ上げて勝つことができました。本当に気分がいいです」と、レース2終了後に海夏澄はコメント。
「正直、スタートはベストではありませんでした。本当にひどいスタートでしたが、落ち着いて冷静さを保ち、ポジションを取り戻すことができました。週末を通して落ち着き、いつもどおりの走りをして、勝つことができました。(続くレース3で)表彰台に上がれたらうれしいですね、また優勝を狙います」
なお、海夏澄は31日午前に行われたレース1(ラウンド7)は3位。翌6月1日に行われたレース3(ラウンド9)ではダンプコンディションとなるなかスリックタイヤを履き、一時は17番手までポジションを下げた。しかし、路面が乾くとオーバーテイクショーを展開し2位でチェッカー。スパでは3レースともに表彰台に上がり、スポット参戦ながら現時点でドライバーズランキング6位につけている。
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[オートスポーツweb 2025年06月01日]