『ユニバーサル・ランゲージ』© 2024 METAFILMSカンヌ国際映画祭ほか各国映画祭を席巻した『ユニバーサル・ランゲージ』が8月29日(金)に公開されることが決定。特報とティザービジュアルが解禁された。
物語の舞台は、ペルシャ語とフランス語が公用語になった、“もしもの世界”のカナダ・ウィニペグ。
暴れまわる七面鳥に、新調したメガネを奪われたと語る少年・オミッドは、学校の先生に黒板の字が読めるようになるまでは、授業を受けさせないと理不尽な待遇を受けてしまう。同情した同級生のネギンと姉のナズゴルは、凍った湖の中に眠る大金を取り出して、新しいメガネを買ってあげようと思いつく。
姉妹は、大人にお金を取り出すためのアドバイスを求めるも、街の住民たちは、みんなちょっとヘンテコな人たちばかりで、なかなか良い助言がもらえない。思うようにいかない中、そこに廃墟を観光スポットとして紹介する奇妙なツアーガイド・マスードや、仕事に嫌気が差して自暴自棄になったマシューも登場すると展開が一転していく。
てんやわんやな状況に陥っていたネギンとナズゴルは、無事にオミッドにメガネを買ってあげられるのだろうか?
本作はカンヌ国際映画祭の監督週間で史上初の観客賞を受賞し、アカデミー国際長編映画賞のカナダ代表にも選出された。監督のマシュー・ランキンは、カナダ首相の座を巡る権力争いを皮肉と遊び心たっぷりに描いたブラック・コメディ「The 20th Century」がベルリン、トロントなど主要な国際映画祭を始め、全世界で絶賛された実験映画監督として知られている。
マシュー・ランキン監督は本作について、「この映画の主要なテーマの一つは“人に優しくすること”」と語っており、言語や文化、さらには自分と他人との境界も曖昧になって混沌とする町で起きる日常の風景が切り取られている。切れ味のあるユーモアセンスと、アッバス・キアロスタミやジャック・タチなどの巨匠たちに強く影響を受けたテイストを感じ取れる作品となっている。
解禁となった特報では、架空の町を駆け巡り、不思議な住民を目の当たりにした、姉妹のキョトン顔が確認できる。BGMで流れている楽曲タイトルは、「Oh the World Is Laughing」(世界は笑ってる)となり、本作のイメージにマッチした曲が採用されている。
また、日本オリジナルのティザービジュアルは、イラストレーターのウラケン・ボルボックスが、『ロボット・ドリームズ』も手掛けたth designのデザインを基にイラスト化した。階段のような段違いに描かれたイラストには、1段目に同級生のメガネを買うために奮闘するネギン&ナズゴル姉妹の姿と、細かくレンガ造りの壁面が描写されている。
そのほかの段には、架空のカナダ・ウィニペグの街並みや、物語を動かす個性強めな大人たちも描かれ、段違いにすることで“すれ違い”というテーマも表現。「人は、関わりあいうことをやめられない。あなたも誰かに優しくなれる」というコピーも踊り、ポップでキッチュなビジュアルに仕上がっている。
さらに公開を記念して、ムビチケ券が6月20日(金)から発売決定。購入者特典として架空のウィニペグの観光ガイドブックが付く。
『ユニバーサル・ランゲージ』は8月29日(金)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。
(シネマカフェ編集部)