参院予算委員会で答弁する石破茂首相=2日午後、国会内 参院予算委員会は2日、石破茂首相と関係閣僚が出席し、内外の諸課題をテーマに集中審議を行った。首相は選択的夫婦別姓制度について「個人の価値判断に基づくもので、多数決でいっぺんに(是非を)決めていい問題ではない」と述べ、結論を急ぐべきではないとの考えを明らかにした。立憲民主党の奥村政佳氏への答弁。
立民の石垣のり子氏らは物価高対策として消費税減税を訴えた。首相は「所得の少ない世帯より多い世帯が裨益(ひえき)することは本当に公平なのか」と指摘し、慎重な立場を重ねて示した。
自民党派閥の裏金事件に絡み、立民の野田国義氏は企業・団体献金の禁止を唱えた。首相は「企業が社会の構成員である以上、(献金による)政治意思の表明はあってしかるべきだ」として応じなかった。
社会保障改革に関連し、日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長は、市販薬と成分が似た「OTC類似薬」の保険適用除外を主張。政府が月内に取りまとめる経済財政運営の基本指針「骨太の方針」への明記を求めた。首相は「指摘の点はきちんと書き込む認識で今後も協議を進める」と答えた。
国民民主党の舟山康江参院議員会長は、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を50%に引き上げると表明した点に懸念を示し、世界貿易機関(WTO)への提訴を検討すべきだとただした。首相は「あらゆる方策を通じ、わが国の国益を最大化する。同時に米国の雇用を生み出すことに(向けて)日米の協調を図る」と語った。
自民の北村経夫氏は戦後80年談話を発表する考えがあるか尋ねた。首相は「村山内閣以来の、安倍晋三元首相が確認した歴史認識を引き継ぐ」と述べるにとどめた。