男女共同参画会議で発言する林芳正官房長官(左から3人目)=2日午後、首相官邸 政府は2日、男女共同参画会議(議長・林芳正官房長官)を首相官邸で開き、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2025」(女性版骨太の方針)の原案をまとめた。女性の地方離れを防ぐため、全国各地で女性の起業を支援する方針を明記。地方自治体が設置する「男女共同参画センター」を拠点に、セミナーや出前講座を開催する。
月内に開く男女共同参画推進本部(本部長・石破茂首相)などの合同会議で正式決定する。
原案では、東京一極集中が加速する中で「女性にも選ばれる地方の実現が急務」と明記。地方に女性の就職先が少ないことが背景にあるとして、地域での起業に向けた相談体制の拡充、経済団体や金融機関などとのネットワーク構築を進める。女性起業家に対するハラスメント防止、人材のマッチングにも取り組む。
政府は2026年度中に独立行政法人「男女共同参画機構」を新設する方針。同機構で全国のセンターに派遣する講師のデータベースを整備し、自治体への交付金による財政支援も行う考えだ。
原案には、国会で議論されている選択的夫婦別姓制度に関し「引き続き旧姓の通称使用拡大やその周知に取り組む」と記述。国会の議論や司法判断を踏まえ「さらなる検討を進める」とも記した。