ダメージを負いながらもオーバーテイク連発。シボレーの本拠地デトロイトでホンダ勢カークウッド躍動、今季2勝目/インディカー第7戦

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2025年06月02日 18:10  AUTOSPORT web

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2025年NTTインディカー・シリーズ第7戦デトロイト カイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)
 6月1日、アメリカ・ミシガン州にあるデトロイトの市街地コースにて、2025年NTTインディカー・シリーズの第7戦『シボレー・デトロイト・グランプリ』の決勝が行われ、アンドレッティ・グローバルのカイル・カークウッドが優勝を飾った。

 伝統のインディ500を終え、舞台はシボレー本拠地のデトロイト市街地へ。シーズン中もっともバンピーな2.65キロの市街地コースで、100周の決勝レースが争われる。

 前日の予選では、コルトン・ハータ(アンドレッティ・グローバル)が2年連続で同地のポールポジションを獲得。2番手にはデイビッド・マルーカス(A.J.フォイト・エンタープライゼス)が続き、セカンドロウにはカイル・カークウッド(アンドレッティ・グローバル)とクリスチャン・ルンガー(アロウ・マクラーレン)が並ぶ。ポイントリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は6番手となった。

 迎えたスタートは、ハータのインに飛び込んだルンガーがホールショットを決めるも、すぐにハータが並び返して首位を取り戻す。そしてパロウとカークウッドはサイド・バイ・サイドの3番手争いを繰り広げ、1周目はパロウが先行したものの、2周目のターン4でカークウッドが前に出た。さらにカークウッドは、そのままの勢いで2番手ルンガーを1コーナーのインから攻略。アンドレッティ・グローバルがワン・ツー体制を築く。

 これらの上位勢はソフト寄りのオルタネートタイヤでスタートしており、一方で中団以下はハード寄りのプライマリータイヤ勢が並ぶ。まずは10周目あたりから、ソフト組がハードへと交換し始め、アウトラップ勝負ではカークウッドが交換組のトップに。その後、後方での単独スピンやクラッシュが続き、2度のフルコースコーション(SC)後、23周目にリスタートが切られた。

 その後、この時上位に並んでいたプライマリータイヤ組が順にピットインし、40周目にスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)がピットへ向かったことで、カークウッドがふたたびトップに立つ。2番手には、1度目のピットインとSCのタイミングが重なってタイムゲインしたパワーがつけた。

 50周目にはカークウッドらの2度目のピットストップが始まり、位置関係はそのままにカークウッド、パワー、ハータ、パロウ、マルーカスのトップ5で後半戦へ入る。以降は僅差を保ちつつも目立ったバトルはなく周回が進んだ。

 68周目、後方で単独クラッシュが起き、3度目のSCへ。70周目にはピットオープンとなり、ここで上位勢は軒並みピットへ。各車順調に作業を済ませて順位変動はなく、カークウッドらは4番手以降に復帰。トップには、SC前にピット作業を済ませていたサンティノ・フェルッチ(A.J.フォイト・エンタープライゼス)が浮上し、さらに2、3番手にキッフィン・シンプソン(チップ・ガナッシ・レーシング)とマーカス・アームストロング(メイヤー・シャンク・レーシング)が並ぶ。

 レースは73周目にリスタート。しかし、1コーナーでマルーカスがパロウをプッシュ。挙動が乱れたパロウは曲がり切れずにクラッシュを喫してしまった。

 これで4度目のSCが入り、レースは残り23周のタイミングで再開。アクシデントなくリスタートが切られ、フェルッチが隊列をリードする。しかし、ペースの良いカークウッドはすぐにアームストロングを攻略し3番手に浮上。抜かれたアームストロングはペースが苦しく、パワーとハータにも抜かれる。

 好調のカークウッドは、アームストロングとのバトルでフロントウイングにダメージを負ってしまったが、そのまま前のシンプソンにも並びかけてオーバーテイク。次のラップのターン1で、いよいよトップのフェルッチのインに飛び込み、80周目にトップに返り咲いた。

 残り20周、カークウッドはそのまま飛ばしていくなか、2番手からはフェルッチを攻略したパワーが追いかけるが、残り17周のころ後方で2台が絡むクラッシュが発生し5度目のSC導入となる。ここで赤旗となり、15分の中断を経てレースは残り12周でリスタートした。

 レース再開時にトップを守ったカークウッドは、以降も完璧なギャップコントロールを見せ、第3戦ロングビーチ以来の今季2勝目を飾った。2位には、リスタート後にパワーを抜き返したフェルッチが、以降にハータの猛攻をしのいで自己ベストフィニッシュ。3位は、フェルッチに抜かれたパワーの隙を突いてオーバーテイクを決めたハータが入った。

 2025年インディカーの次戦は、6月14〜15日にイリノイ州のオーバルコース、ワールド・ワイド・テクノロジー・レースウェイ(WWTR)で行われる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年06月02日]

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