片岡仁左衛門「歌舞伎界の一角を担うと確信」「ひのき舞台にふさわしい芸」と新菊五郎親子を絶賛

8代目尾上菊五郎（47）、6代目尾上菊之助（11）の襲名披露興行「六月大歌舞伎」が2日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。5月に行われた團菊祭に続いての披露興行となる。

夜の部「口上」で、8代目菊五郎は「歴代の菊五郎が大切にしてまいりました伝統と革新の精神にのっとり、精進してまいる覚悟」と述べ、菊之助は「このような大きな名跡を襲名させていただく感謝とともに、立派な歌舞伎俳優になれますよう、なお一層精進します」と決意を語った。

父の7代目菊五郎は、2人の菊五郎が同時に存在することから「仁左衛門さんに、菊五郎が2人できてなんて呼んだらいいんだと聞かれ、しっつぁん、はっつぁんでいいじゃないかと言ったんですが、残念ながらまだ1度も呼ばれていません」と笑わせる場面もあった。

仁左衛門は、8代目菊五郎が音羽屋の芸だけでなく、義父中村吉右衛門さんが練り上げた播磨屋の芸への努力も挙げ「必ずや歌舞伎界の一角を担うと確信しています」とし、菊之助についても「ひのき舞台にふさわしい芸を身につけている。踊りも基礎をしっかり勉強し、お芝居も上品」と期待を寄せた。中村梅玉、尾上松緑、市川團十郎も列座した。

昼の部は「菅原伝授手習鑑」の「車引」「寺子屋」、夜の部は「連獅子」など。27日まで。

襲名披露興行は、7月は大阪松竹座、10月は名古屋・御園座、12月は京都・南座、26年6月は博多座と続く。