第6戦(レース2)で優勝した99号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rのジェフリー・イビラヒム/ベン・グリーン 2025年GTワールドチャレンジ・アジア第3大会ブリーラム 5月30日から6月1日にかけて、タイのブリーラムでGTワールドチャレンジ・アジア(GTWCアジア)第3大会が行われ、FAWアウディスポーツ・アジア・チーム・ファントムの45号車アウディR8 LMS GT3エボII(チェン・コンフー/ユー・クワイ)がレース1の勝者に。決勝レース2はジョホール・モータースポーツ・レーシングJMRの99号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(ジェフリー・イビラヒム/ベン・グリーン)が制した。
JMRの99号車コルベットは、チャーン・インターナショナル・サーキットで開催された2025年シーズン第3大会における日曜のレース2で優勝し、セパンでの第2戦以来、今季2勝目をマーク。これによりイブラヒム“王子”がシリーズランキングトップに躍り出ることとなった。
アレクサンダー・シムズに代わって今シーズン2度目の参戦となったグリーンは、イブラヒムから99号車のステアリングを受け継いだレース後半、シルバー・アマクラスエントリーの89号車BMW M4 GT3エボ(チームKRC)との激しいバトルの末、0.350秒という僅差で勝利を収めた。3位はクライマックス・レーシングの2号車メルセデスAMG GT3エボだ。
この結果、イブラヒムはシーズンの折り返し時点でドライバーズチャンピオンシップのトップに立ち、KRCのマキシム・オーステンとルアン・クンファン組に6ポイント差をつけている。同ペアは、ファントム・グローバル・レーシングのアンソニー・リュー/ドリアン・ボッコラッチ組(37号車ポルシェ911 GT3 R)と同ポイントで並んでいる。
土曜日のレース1は、シルバークラス・エントリーのFAWアウディスポーツ・アジアの45号車が劇的な勝利を飾った。アウディを駆るユーは、最終ラップの高速左コーナーのターン4で、アウト側から96号車フェラーリ296 GT3(ウインヒア・ハーモニー・レーシング)をオーバーテイクして見せた。
優勝を争ったトップ2の後ろでは、元F1ドライバーのジャンカルロ・フィジケラが3番手を走行。彼がドライブする60号車フェラーリ296 GT3(LM Corsa)は混乱したスタートで恩恵を受け、脇阪薫一が乗り込んだ前半スティントで順位を上げていた。
しかし、フィジケラは表彰台圏内のポジションを守りきれず、バスティアン・ブース(4号車ポルシェ911 GT3 R)とパトリック・ピレ(911号車ポルシェ911 GT3 R)、そしてJMRコルベットのグリーンに順位を奪われた。最終的に3位表彰台を獲得したのは、オリジン・モータースポーツの4号車ポルシェだ。
アブソリュート・レーシングのピレがペナルティを受けたことで、グリーンとイブラヒムの99号車コルベットが4位に浮上。一方、フィジケラもペナルティで後退し、46号車アウディR8 LMS GT3エボII(アウディスポーツ・アジア・チーム・ファントム)がトップ5入りを果たした。総合6位には前回大会のマンダリカで悲劇に見舞われた500号車ニッサンGT-RニスモGT3(TEAM 5ZIGEN)が入り、HIROBON/金丸ユウ組がシルバー・アマクラスで今季初優勝を飾っている。
ディフェンディングチャンピオンである、イェ・レオとボブ・ユアンの87号車ポルシェ911 GT3 R(オリジン・モータースポーツ)は、このブリーラム戦をランキングトップで迎えたが、レース1はグラベルがラジエーターに詰まったことでオーバーヒートを起こしリタイアに。レース2は他車との接触によって19位に終わり、“忘れたい週末”となった。彼らは現在、チャンピオンシップリーダーのイブラヒムと7ポイント差の4位につけている。
2025年GTWCアジア第3大会ブリーラムにおける日本勢の決勝結果は次のとおりだ。
チーム/マシン/クラス/レース1結果/レース2結果
PLUS with BMW M Team Studie/5号車BMW M4 GT3エボ/プロ・アマ/クラス10位/クラス7位
GTO Racing Team/10号車ポルシェ911 GT3 R/プロ・アマ/クラス6位/クラス10位
LM Corsa/60号車フェラーリ296 GT3/プロ・アマ/クラス9位/DNF
ポルシェセンター岡崎/25号車ポルシェ911 GT3 R/シルバー・アマ/クラス3位/クラス6位
TEAM 5ZIGEN/500号車ニッサンGT-RニスモGT3/シルバー・アマ/クラス優勝/クラス2位
GTWCアジアの次戦は日本の富士スピードウェイが舞台となる。週末の決勝レース1(第7戦)は7月12日土曜に、続く第8戦は13日日曜に実施される。
[オートスポーツweb 2025年06月03日]