知的財産戦略本部で発言する石破茂首相(右から2人目)=3日、首相官邸 政府は3日、知的財産戦略本部(本部長・石破茂首相)の会合を首相官邸で開き、「知的財産推進計画2025」を決定した。人工知能(AI)の活用や海外人材の呼び込みを通じて国際競争力を強化し、2035年までに知財に関する世界ランキング4位以内を目指す。
首相は会合で「競争力のある知的財産を創出するため、AIの利活用を抜本的に強化していく」と語った。
政府が目指す世界ランキングは、国連の世界知的所有権機関(WIPO)が毎年公表している指数。24年版では1位スイス、2位スウェーデン、3位米国で、日本は13位。日本の最高は07年の4位で、その復権を狙う。
計画では、AI関連などのトップレベルの研究者らを海外から招致するための環境を整備し、スタートアップ(新興企業)向けの知財人材育成を支援。AIによる知財分野の生産性向上も推進し、海外からの投資額など日本の評価が低い項目を底上げする。
国際市場の取り込みに向け、日本が強みを持つアニメなどのクールジャパン関連産業の海外展開も進める。アニメの舞台を訪れる「アニメツーリズム」やロケ誘致も加速させ、33年までに関連産業の経済効果を50兆円に拡大する目標を達成したい考えだ。