アルツハイマー病患者に最終治験=iPS創薬で初、進行抑制―京大など

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2025年06月03日 18:02  時事通信社

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時事通信社

京都大iPS細胞研究所の井上治久教授(中央)
 京都大iPS細胞研究所や東和薬品などは3日、家族性アルツハイマー病の患者に人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って発見した治療薬候補を投与する最終段階の臨床試験(治験)を5月から開始したと発表した。薬の安全性と有効性を確認し、薬事承認の取得を目指す。

 iPS細胞を用いて新薬や既存薬の新たな効果を見つけるiPS創薬で、最終治験を行うのは初めてという。

 同研究所の井上治久教授らは2017年、iPS細胞を用い、アルツハイマー病の原因物質「アミロイドベータ」を減らす化合物を調査。家族性アルツハイマー病のうち、特定の遺伝子に変異がある患者に対し、パーキンソン病治療に使われる既存薬「ブロモクリプチン」が有効と分かった。

 20年から22年にかけ、患者8人を対象とした治験を実施。副作用は見られず、認知機能や行動・心理症状の病状進行が抑えられる傾向が見られたため、さらに対象を増やして有効性と安全性を確認することとした。

 最終治験は28年3月まで三重大病院など全国の医療機関で実施し、治験に参加する患者は24人を目指す。

 井上教授は記者会見で「既存薬を使うことで、新たに開発するよりも早期に治療薬を患者に届けられる」と強調。既存薬は東和薬品の後発医薬品(ジェネリック)を使用する。同社の吉田逸郎社長は「豊富な既存薬を活用するのはジェネリックメーカーの務め。希少疾患や特殊疾患の治療選択肢を届けたい」と述べた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 認知症でもレベル色々で、言葉が出ないレベルまで生きる人はさほど多くないんじゃないかな?転倒、骨折、入院、手術で、認知症が一気に悪くなるケースは一番多いかも。
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