
NHK2026年度前期連続テレビ小説『風、薫る』のもうひとりの主人公・大家直美役を上坂樹里が演じることが発表された。
連続テレビ小説第114作となる『風、薫る』は、文明開化が急速に進む明治を舞台に、当時まだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ主人公の2人の女性が傷ついた人々のために奔走し、時には戦う姿を描いた冒険物語。主人公のひとりである一ノ瀬りん役を見上愛が演じる。脚本は吉澤智子。
上坂樹里は2410人が応募したオーディションから選出。役柄とコメントは以下の通り。
【役柄:大家直美】
生後まもなく母親によって捨てられ、物心がついた頃にはキリスト教の牧師に育てられていた。その後、教会を転々としてきたので「家族」と呼べる存在はいない。幼い頃から何も悪いことをしていないのに貧しく恵まれない人に多く接して来たため、神も人も心から信じきれないところがある。
直美にとって信じられるのは自分の力と運。恥などいくらかいてもかまわない。プライドなど役に立たない暮らしだったため、目的のためには多少のうそやズルをもいとわない柔軟さとしたたかさがある。
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もう一人の主人公・大家直美を演じさせていただくとは思ってもいなくて、初めてオーディションの結果を聞いたときは頭が真っ白になりました。いまだに夢をみているようです。
私はこのお仕事をはじめてからずっと、夢を聞かれたときは「朝ドラのヒロインになる」と言い続けてきました。その夢をかなえられたというのは幸せですし、とても嬉しいです。
大家直美という役は私と正反対の人だなというふうに感じています。すごく人間味にあふれていて、ずる賢いところもあります。でも、そのなかに強さだったり優しさだったり、いろいろなものを含めて人間味あふれる人だと思っています。
今回、役として昔の時代を生きて、看護師を演じること、すべてが初めてのことばかりです。大家直美とともに私自身も一緒に成長していけるように撮影にのぞみたいと思います。そして、見てくださっている方に温かくて優しい風を毎朝、お届けできるように精一杯頑張ります。
・見上愛の印象について
見上さんは太陽のような方だなと思っています。初めてお会いしたとき、すごく緊張していましたが、顔合わせでやさしく話しかけてくださいました。これから、一緒に私も頑張ろうと思いましたし、見上さんの胸を借りながら精一杯演じたいです。
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・上坂樹里の印象について
数週間前に初めてお会いしたのですが、(上坂さんが放つ)後ろの壁が透けて見えるくらいの“透明感”にびっくりしました!実際に上坂さんとお話をしてみると、ご本人の“芯の強さ”を感じる瞬間が多く、とても素敵な“大家直美”を演じるのだろうな、と確信を持ちました。私も一緒に引っ張っていってもらいたいと感じる方ですので、皆さんも楽しみにしていただきたいと思っています。
・上坂樹里と“バディ”を演じるにあたって
(この作品では)ふたりが出会ってすぐに“バディ”になったかというと、きっとそうではない部分もあると思っています。(この会見では)少し緊張している雰囲気もまだふたりにはありますが、これからお互いの“距離感”を近づけていく時間をすごく大切にしていきたいです。今後、色々なお稽古にふたりで挑戦していくので、無理せず自然体で“一ノ瀬りん”と“大家直美”の“バディ感”を高めていけたらなと思っています。ふたりがどんな瞬間も一緒に手を取り合って歩んでいくストーリーになると思うので、1年間の撮影期間をともに支え合いながら頑張りたいです。
・撮影で楽しみにしていること
(栃木県)那須地域など物語のゆかりの場所での撮影も待っていると思うので、実際の土地の風を感じながら撮影することもすごく楽しみにしています。
【吉澤智子のコメント】
母親に捨てられ家族がおらず、生きていく為には多少の嘘やズルも厭わない。
もう一人の主人公・大家直美はそんなに清くもあんまり正しくもない、ある意味ヒロインらしくないリアルな女性。
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「あぁ、こんな直美がいい。いやいや、こっちの直美もありかもしれない」
思いを巡らせ迷いに迷い、少しでも頭を働かせようとコーヒーばかり飲んでいた私は、彼女が現れるなりモニターに釘付けになりました。
「そうか、この子が直美なのか」
凛とした美しい佇まいの一方で、哀しいシーンにも感じられる根底にある明るい逞しさ。
身寄りのない女性が生きることが、現代とは比較にならない程困難だった明治という時代、ここにいる直美なら生き抜いていける。
台本を越え上坂樹里さんの持つ存在感そのものに、そう信じさせられてしまったのです。
オーディションが終わる頃、見上さん演じるりんと二人でニヤリと不敵に笑いあう姿が浮かんできました。
それが何のシーンなのかは私にもまださっぱりわかりません。
だた、とても気持ちのいい風が吹いていました。
【制作統括・松園武大チーフプロデューサーのコメント】
主演のひとりを既に発表している中でのオーディション開催という特殊なケースでしたが、2410人もの方々にご応募いただいたこと、御礼申し上げます。
皆さん「風、薫る」への熱い思いをぶつけてくださり、身が引き締まる思いでした。
本当に皆さん魅力的な方ばかりで、我々も大家直美という人物のさまざまな可能性を見させてもらえましたし、日々研さんを積んでいる皆さんの力を実感した日々でした。
本当にありがとうございました。
その中で上坂樹里さんは、とてもとても自然でまっすぐなお芝居が印象的でした。
そのナチュラルさの中に、まばゆく感じられるほどの光を放つ瞬間が随所に感じられ、上坂さんが大家直美を演じること、そして見上愛さん演じる一ノ瀬りんとのバディが躍動する姿を想像すると胸が激しく高鳴りました。
すばらしい出演者とスタッフ一丸となって、視聴者のみなさまに共感していただけるドラマをお届けします。
放送はまだ少し先ですが、どうかご期待ください。
©NHK