300周中139周を圧倒的なリードで走り抜き、ライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が今季初優勝 ナッシュビル・スーパースピードウェイで開催された2025年NASCARカップシリーズ第14戦『クラッカーバレル400』は、300周中139周を圧倒的なリードで走り抜き、好調カーソン・ホセヴァー(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を2.830秒差で撃破したライアン・ブレイニー(チーム・ペンスキー/フォード・マスタング)が今季初優勝。勝利まであと一歩のところまで迫りながら、不運に見舞われ続けたシーズン前半戦の不運を払拭するリザルトにより、ペンスキー陣営“最後の男”がようやくプレーオフ進出を確定させた。
今季2025年はこのナッシュビルを舞台とする新規軸として、総勢32台による『NASCARインシーズンチャレンジ』が初開催され、優勝賞金100万ドル(約1億4000万円)を掛けて今夏の5戦を対象にブラケット形式のトーナメントが実施されることに。
トーナメントは6月28日にアトランタで開幕し、シカゴ、ソノマ、ドーバー、インディアナポリスと続き、次の3レース(ミシガン、メキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス、そしてポコノ)では、ドライバーの最高順位に基づいてブラケットのシード順が決定される。
そんな高揚感のなか迎えた週末は、トヨタ陣営が走り出しからスピードを誇示する展開となり、フリープラクティスではタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)と、その車両の共同オーナーでもあるデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)がワン・ツーを記録。続く予選ではチェイス・ブリスコ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)が前戦シャーロットに続く2戦連続のポールウイナーとなった。
「まずまずのラップだった。これまでの予選ベストは20番手くらいだったから、正直に言って驚いたよ。良いラップだったと感じていたし、確かに少しタイムを出し損ねた感はあったが、スムーズでクリーンなラップだったと感じた。トップ5圏内に入るラップだと確信していたが、これほど速かったとはね」と明かしたブリスコ。
「2週連続でポールポジションからスタートできてうれしいね。明日は先週よりも良い結果を出せればと思っているが、このコースはポジションに大きく左右されるから、ポールからスタートできることは大きなアドバンテージになるだろうね」
隣にハムリン、その背後にレディックを従えて始まった決勝は、ステージ1終盤に僚友をパスしたハムリンがまずは先勝を挙げる。しかし続くステージ2ではブレイニーを含めオースティン・シンドリック、ジョーイ・ロガーノらペンスキー艦隊が車列前方を占めると、マスタングに行く手を阻まれたクリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)らが散るなか、ヘルメットホースとハイドレーションシステムのトラブルを抱えながら奮闘のハムリンも及ばず、ブレイニーがステージ2を制覇していく。
ここでウイリアム・バイロン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を含むトヨタ、シボレー、フォードの三つ巴を制した2023年カップ王者のブレイニーは、ファイナルステージでは僚友ロガーノらも振り切り103周のグリーンフラッグランを独走。終盤、追い縋った22歳のホセヴァーらを従え、勝利の喜びに沸き立つトップチェッカーで日曜の夜を締め括った。
「希望を捨てたことは一度もなかったさ!」とルーフから飛び降りて前方のグランドスタンドまで駆け上がり、受け取ったチェッカーフラッグを小さなファンにプレゼントしたプレイニー。
「僕たちは逆境に見舞われて来たし、幸運という点では今年はあまり良いシーズンではなかったが、12号車のクルーは素晴らしいよ。どんな状況でも諦めずに頑張ってきたんだ」
併催されたNASCARクラフツマン・トラック・シリーズ第12戦『ラックリー・ルーフィング200』は、前週ウイナーのコーリー・ハイム(トライコン・ガレージ/トヨタ・タンドラTRD-Pro)らを従えたラージャ・カルース(スパイア・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)が今季初、キャリア通算2勝目をマーク。
同じく併催のNASCARエクスフィニティ・シリーズ第14戦『テネシー・ロッタリー250』では、全188周中101周でリードラップを刻んだシャスティン・オルゲイアー(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が、18歳の僚友コナー・ジリッシュを抑えて両ステージを制覇し今季3勝目を手にしている。
https://youtu.be/upDX9DFjkWg
[オートスポーツweb 2025年06月03日]