【ブログ】ライディングフォーム比較!/カメラマンから見た全日本ロード第2戦SUGO 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。今回は5月24〜25日に開催された第2戦SUGOです。
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ロードレースファンの皆様、全日本ロードの2025年シーズンがいよいよ開幕しました。もちろん、JSB1000の開幕はもてぎ2&4ではありましたが、『全クラス』の開幕はSUGOで迎えました。
もてぎ2&4レースでは全日本ロードにBMWで復帰した浦本修充選手が、表彰台を獲得するという衝撃的な話題から始まりましたが、今シーズンは果たしてどのようなドラマが生まれるのでしょうか?
いつものごとく、レース内容は編集部にお任せし、私の視点でお送りします。前ブログ『ハネの比較』が好評だったようで、味を占めた筆者は温めていた企画を投入します。
ずばり『ライディングフォーム』比較。
今から約10年前、マルク・マルケス選手の『肘スリ』が話題になりましたが、近年のMotoGPは肩まで擦るほどバンク角が深くなっています。(いつかその瞬間を撮影できる日が来ると良いのですが……)マシンの進化に伴いライディングフォームも年々変わっていますが、ありそうでなかったこの企画、定点撮影してきたのでとくとご覧あれ!
※全選手において1枚目が4コーナー、2枚目がシケイン
まずは前段の流れで、全日本ロードの肘スリ男に登場してもらいましょう。
撮影アングルによって、写真映えはピカイチです。ちなみに、今回紹介する選手の中では身長が高く、181cm。からだをダイナミックに開き、頭の位置もかなり低く見えます。
続いて、全日本ロードの元祖肘スリ男。
世界を経て昨シーズンから全日本ロードに復帰しています。メーカーが変わった影響かは分かりませんが、アグレッシブであったライディングフォームはかなりマイルドになった印象です。手と頭の位置から考えると、シート後方に座っているように思えます。
参考に、ヤマハ時代の写真を貼っておきましょう。
続いて、世界を知るこの男。
ダンロップタイヤ開発は2年目となりました。実は、当企画は昨シーズンの彼の左手を見て思いつきました。
あくまで筆者所感ではありますが、ハンドルを指と手のひら全体でギュッと握っているのではなく、人差し指と親指でドアノブを回すような感じで包み込むように握っているように見えます。
ハンドルの握りとライディングフォームについては、紹介したホンダ系の選手については皆同じような感じです。唯一、野左根航汰選手は頭の位置(目線)が少し異なるようです。
メーカーを変えて、スズキのMotoGPマシンテストライダーも務めたカムバック男。
左ハンドルの手の握り方が上記に紹介した選手と異なるのが分かります。写真ではバンク角が浅いですが、このコーナーではもっと奥でフルバンクになるラインどりのようです。頭の位置は高く、からだの開き具合は少なめ。
またまたメーカーを変えて、ヨーロッパから帰ってきたBMWに乗る話題の男。
頭の位置(目線)は野左根航汰選手と同じような位置です。今回紹介する選手の中では最も身長が高い183cmですが、かなりコンパクトなフォームです。タンクに覆いかぶさっているよう見えます。
最後は、絶対王者。
今回紹介した選手では最年長、2025年で44歳。昨シーズンももてぎでコースレコードを更新したことから、未だに進化し続けているまさに絶対王者。マシンの進化に合わせてライディングフォームを変えていっているのではないかと推測します。尚、ハンドルを握る位置はかなりバーエンドに近いように見えます。
SUGOラウンドは怪我で欠場となってしまいましたが、参考に唯一のドカティである水野涼選手の昨シーズンの写真も掲載しておきましょう。
余談ですが、SUGOは2025年に路面の全面改修をしております。4コーナーについてはゼブラも変更された模様です。
注目の左手は、ハンドルを手のひらと平行にギュッと握っているように見えます。身体もあまり開いてない模様。
楽しんでいただけましたでしょうか?
ライディングフォームの違いはほんの少しの差かもしれませんが、コンマ1秒を争う世界では重要な意味を持つのでしょう。筆者もサーキット走行をしていた頃は、あーでもないこーでもないと試行錯誤しながら乗る位置や体の使い方を変えて走っていた記憶があります。
サーキットで撮影に励む方は、選手をよく観察してご自身が「カッコイイ」と思う瞬間を切り撮ってみてください。
撮影するにあたっては「選手の最もカッコイイ瞬間を撮る」を念頭に置いていますが、編集部に提出する写真を撮影しつつ、当企画でピックアップする選手を定点で揃える必要があったため、写真が少し雑になってしまって反省しています。もしかしたら、タイムアタックしていない瞬間を撮影してしまっているかもしれず、また、シケインはもう少し奥側を狙った方がバンク角はもっと深かったはずです。
撮影における試行錯誤が未だに変わっていません。
皆さんの今後の観戦や撮影、はたまたライディングに役立てば幸いです。
次回もお楽しみに!
[オートスポーツweb 2025年06月04日]