2025年4月17日から『ABEMAモータースポーツアンバサダー』に就任したマギーさん。自身がデザインを考案したオリジナルレーシングスーツを着用して収録に臨んだ モデルや実業家として活躍しながら、大のクルマ好きとして知られるマギーさん。4月17日には『ABEMAモータースポーツアンバサダー』への就任が発表され、今後は現地からもレースの面白さを伝えていくマギーさんに、6月8日(日)18時からABEMAで放送される特番『ABEMAモータースポーツ完全ガイド』収録後にクルマやモータースポーツの魅力を改めて聞いた。
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──ABEMAモータースポーツアンバサダーへの就任おめでとうございます。まずはとても今回着用しているレーシングスーツ姿がとても似合っていますし、デザインが新鮮ですね。
マギーさん(以下マギー):嬉しいです。ありがとうございます。レーシングスーツのデザインは私がある程度を考えました。これは2着目になるのですけど、1着目と同じように私のロゴや、私のYouTubeチャンネル『MAGGY's Beauty and the Speed』の名前を入れたりしています。首元と右腕にユニコーンとペガサスをくっつけた自分のロゴを入れているのが、こだわりのポイントです。
──このレーシングスーツで、実際のレースにも出場するのでしょうか?
マギー:このスーツはフォーミュラカーに乗るときに着用しています。カートに乗るときは、お尻が汚れてしまうので別のダークパープルのスーツで使い分けていますし、両方ともJAF(日本自動車連盟)公認のレーシングスーツなので、レースにも出場できるものです。
──もう『マギーさん』ではなく、『マギー選手』と呼ばなければいけないかもしれないです。
マギー:いえいえ、選手ではないです(笑)。
●”乗る”モータースポーツとクルマの魅力と、”観る”面白さ
⎯⎯⎯⎯マギーさんのYouTubeチャンネルで、富士スピードウェイをFIA-F4マシンで走っている動画を拝見しました。動き出しのクラッチ操作もスムーズで、ストレートでは1周目からベタ踏み(フルフラット)しているのに驚きましたが、クルマやレーシングカーに乗る楽しさをひとつ上げるとしたら、どの部分になるのでしょうか?
マギー:クラッチ操作は事前に練習しました(苦笑)。乗る楽しみは、速さ、スピード感だと思います。私はやはりスピードが好きなところからクルマの魅力にハマっているのでスポーツカーが好きですし、いちばん最初の乗ったクルマがマニュアルトランスミッションのクルマだったので、速度に慣れている部分がありますけど、やはりスピード感は大事だと思います。
──スピード感でも、たとえばストレートとコーナー、マギーさんはどちらのほうがアドレナリンが出ますか?
マギー:ストレートは冷静に走ることができるのでコーナーですね。高速コーナーを攻めて決められると楽しいですし、コースを攻略することも楽しみのひとつです。
──もう話している内容がレーシングドライバーと変わらない。やっぱり、マギー選手ですね(笑)。ちなみに、現在の愛車は何になるのでしょうか?
マギー:先日、ポルシェ・ケイマンのGT4 RSを納車しました! 以前YouTubeで911 GT3 RSとの乗り比べ動画をアップしたのですけど、そのときのケイマンGT4 RSが楽しすぎました。911 GT3 RSは私には少し大きすぎて、手に余る感じがあったのですが、ケイマンGT4 RSはコンパクトですし、私が20歳のときの愛車1台目がケイマンだったので、思い入れがあるクルマでした。
購入したGT4 RSはケイマンのなかでも最上位モデルで、ヴァイザッハ・パッケージなのでバケットシートと6点式のシートベルトが装備されていて、そのままサーキットを走行できる、ほぼレース仕様です。あと、本当にポルシェは音が良いですね。他のクルマにはないサウンドと、キレの良さがあります。ギヤの繋がりや立ち上がりの加速音がたまらなく好きです。
──えっと、普段もそのGT4 RSで街乗りもしているのですよね?
マギー:はい、していますよ(笑)。
●モータースポーツを観戦する際のマギーさんの見どころポイント
──クルマを乗るのは別に、モータスポーツの観戦の面で、マギーさんがレースで『おっ!』と思う瞬間はどういったシーンになるのでしょうか?
マギー:いくつかありますけど、まずスタートダッシュが良い選手は『おっ!』と思いますね。スタートは順位が大きく変わる大事な場面だと思うので、まず無事にドライバーがスタートを切ることができたかを見るのは面白いです。
それにオーバーテイクをするときは、もちろんハラハラドキドキです。あんなに接近して走っていて、よくぶつからないなといつも思っています。速く走るとはまた違うテクニックですよね。少しブレーキのタイミングが違っただけでクラッシュしてしまうので、あの感覚は凄いと思います。
あとは、ピット戦略でアンダーカット/オーバーカットを決めたときの気持ちよさはありますね。見ていても『作戦が成功した!』という気持ちになりますし、戦略はレースの面白いポイントだと思います。
──アンダーカット、オーバーカットを理解している方は、もはや観戦の素人ではないのですが、マギーさんはそのような知識はどのように得たのでしょうか?
マギー:カートで走り始めてからですね。本山(哲)さんにカートを教えてもらったりしていたので、そういったコミュニティができると、みんながいろいろな情報を教えてくれるので一気に吸収しました。
──現役の国内レースのトップドライバーとも交流があるかと思いますが、会ったときはレースのことをお話するのでしょうか?
マギー:サーキット以外でお会いした時は、ドライバーにとってはオフの時間だと思うので、自分からレースの話をしないようにしています。でも、カート場で会ったときには、レースのお話やドライビングテクニックのコツなどは聞いたりしますね。
──ドライバーから教えてもらったアドバイスで、印象に残っているものはありますか?
マギー:野尻(智紀)選手にシミュレーターで富士スピードウェイを教えてもらうという企画で、野尻選手にアクセルを踏むタイミングやブレーキングポイントを細かく教えてもらい『こうやって速く走るんだ』と、いろいろ知ることができたのは、すごく勉強になりました。
野尻選手からはペダルの踏み方、『勢いよく踏む』ことと『(アクセルとブレーキの)切り替えを早く』することを言われました。本当に細かく『立ち上がりのここでアクセルを踏む』『このコーナーではアクセルをじわじわ踏んでいく』といったことを教えてもらいました。
特にブレーキングは私の感覚とまったく異なっていて、野尻選手はかなりブレーキングポイントが奥だったので『ここでブレーキを踏んでも間に合うんだ』というコツなどが、すごく勉強になりましたね。
●”推し”のF1ドライバーと乗ってみたいレーシングカー
──昨年、オートスポーツwebでインタビューさせていただいたときに、好きなF1ドライバーにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とランド・ノリス(マクラーレン)を挙げていましたが、現在も変わらないですか?
マギー:変わらないです。でも(オスカー・)ピアストリ(マクラーレン)も凄いと思います。次世代を引っ張っていく存在になるでしょうね。
──“推したくなるドライバー”の共通点はありますか?
マギー:人間味があるドライバーですかね。今ではフェルスタッペンもかなり強いドライバーですけど、デビューしたての頃はもっと荒削りでした。今年のサウジアラビアGPの表彰式でペナルティに不満でシャンパンファイトをしなかったり、そういった人間らしさは、すごく応援したくなるポイントです。ノリスもかなり心境が出てしまうドライバーなので、その人間臭さは魅力だと思います。
──ピアストリは冷静すぎて、ちょっとサイボーグ感がありますが……。
マギー:それも個性としていいと思いますよ! ですので、日本人ドライバーはもっと素を見せて、人間味が伝わってくるような見せ方をしてくれたら良いなと思っています。
──いま、マギーさんが好きなレースカテゴリーは何でしょう?
マギー:やはりフォーミュラですね。一般車とはまったく違うクルマの形ですし、マシン自体もかっこいいです。サイズが大きくてタイヤもむき出しで、F1は特にフロアの造形とか、細かい技術の塊であるエアロパーツが付いていて、マシンを見ているだけでもすごく楽しいです。
──本日、ABEMAで収録した番組の内容を教えてください。
マギー:今回の特番『ABEMAモータースポーツ完全ガイド』ではスーパーフォーミュラ、スーパーGT、NASCAR、WRC(世界ラリー選手権)という本当に幅広いジャンルのレースを取り上げています。4つともレースの仕方やマシンはまったく異なりますが、各カテゴリーの注目ハイライトシーンを見て、面白いと思えるレースがひとつでもあったら、どんどんと追いかけてほしいです。
──マギーさんは、モータースポーツで次にどんなことをしたいですか?
マギー:レースの面白さを伝えることを大前提ですが、それ以上にレーシングドライバーの人物としての魅力を伝えたいです。このドライバーは何歳からカートを始めて、このカテゴリーで下積みをして現在に至るという人間ドラマを伝えると、視聴者の方はもっとそのドライバーを応援したくなるはずです。その部分は何らかのかたちで私が発信して、もっとモータースポーツファンを増やしていきたいと思っています。
──最後になりますが、もしどのレーシングカーでも乗っていいと言われたら、どのカテゴリーのどのクルマに乗ってみたいですか?
マギー:やっぱりF1に乗りたいですね。でもレッドブルはピーキーなマシンと言われているので大変そう(笑)。ですので、乗りやすそうなF1マシンがいいですね。シミュレーターで走っていてもF1マシンはグリップが高くて乗りやすいですし、高速コーナーも曲がりやすく感じます。実車だと体が耐えられないと思いますけど、走らせてみたいという気持ちはあります。
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インタビューでレースの話をするマギーさんは終始笑顔で、クルマとモータースポーツの知識の多さには取材陣も驚く饒舌さで答えてくれたマギーさん。ABEMAモータースポーツアンバサダーとして、今後もレースとクルマの魅力を多くの人に伝えてくれるだろう。
●Profile:マギー
1992年5月14日生まれ、日本とカナダのハーフ。16歳でファッションモデルデビュー。モデル以外の活動も積極的に行い、コスメブランド『LAPERICUM』の設立、YouTubeチャンネル『MAGGY‘s Beauty and the Speed』の開設、カートレース大会『MAGGY‘s RACING DAY』の主催などクリエイティブな分野でも活躍中。美と健康、芸術とスポーツ、ラグジュアリーとサスティナブルなど、バランスの取れた人生を目指し、実業家としてビジネスフィールドへ進出。2025年からABEMAのモータースポーツアンバサダーに就任した。
[オートスポーツweb 2025年06月04日]