画像:ソフトバンク株式会社 プレスリリース(PR TIMES)よりお笑いコンビ・令和ロマンの高比良くるまが、テレビ番組への復帰を果たしている。
高比良は、一連のオンラインカジノ騒動で吉本興業を退社し、現在は事務所に所属しない形で活動中。コンビ活動は継続しているが、相方の松井ケムリは吉本興業に所属しているというイレギュラーな状態となっている。
そんな高比良だが、5月22日、5月29日に『ラヴィット!』(TBS系)に出演し、さらに5月28日深夜には自身がMCを務める番組『ひっかかりニーチェ』(テレビ朝日系)に復帰。それぞれの番組で元気な姿を見せ、ファンを安心させている。
◆テレビ復帰と騒動の影響
高比良のテレビ復帰は、一連のオンラインカジノ騒動が一段落したタイミングに合わせて進められていたようだ。5月22日に、書類送検されていた吉本興業のタレント6人が賭博の罪で略式起訴されたことが公表された。このタイミングに合わせ、高比良のテレビ復帰が進められたと考えられる。
これで長く続いたオンラインカジノ騒動が一段落した印象だが、果たして高比良はテレビ出演を続けていくのだろうか。筆者は、今後は積極的にテレビ出演を増やしていくと予想する。
◆「テレビ出ない」発言からの変化
まず、大前提として高比良は、かつてテレビ出演をメインとしない活動を行うと公言して話題を集めた。この発言は後に本人によって補足が何度も行われているが、要約すれば「テレビを作っているのが上の世代で、熱量が自分と合わないため出演する番組を選んでいる」という内容だ。
2024年7月に出演した『あちこちオードリー』(テレビ東京系)では、「(テレビが)向いていないっていうのがあります。役に立てないので」と発言。こういった発言がきっかけで、令和ロマンはテレビに出たがっていないという情報が広まったわけだ。
しかし、この発言をしていた頃とは、高比良の状況がまったく違う。現在は、吉本興業を退社したことで本業だった漫才をする機会が激減している。
高比良がテレビに出ないと発言していた頃は、『M-1グランプリ』を制覇したコンビとして劇場やイベント、ライブで無数に漫才を披露していた。テレビに出演しなくても、純粋に漫才を追求する仕事で十分な収入を得ていたことになる。
だが現在は、相方が吉本興業に残っているとはいえ、同社が運営する全国の劇場公演に復帰した情報は聞いていない。今の活動はYouTubeチャンネルの運営とポッドキャスト番組だけで、仕事が激減しているのは明白だ。収入面でも、高比良がテレビ番組に出演する機会を増やすのは必然だと考える。
◆マイナスイメージ払拭のチャンス
また、一連の騒動や退所問題でついたマイナスイメージを払拭するのも、テレビ番組が一番効果的だ。熱心なお笑いファンなら高比良が悪くないことは理解しているが「何か悪いことをして吉本興業をクビになった人」というマイナスイメージを持っている人は少なからずいる。
そういったイメージは自分で払拭していくしかない。テレビ番組はネットニュースにもなり効果的で、戦略家である高比良がテレビ番組を利用すると予想する。
現に高比良が復帰した両番組では、休業をネタにしつつ人当たりの良いキャラを展開。『ひっかかりニーチェ』では、抜群のトークセンスで騒動を説明し復帰を盛り上げた。
また『ラヴィット!』では、相方の誕生日を祝うために料理を披露し、名曲『浅草キッド』を芸人たちと熱唱している。休業前のシニカルな芸風を残しつつ、両番組でバラエティタレントらしい対応力の高さを見せた。
キャラ変更するほど大げさな話ではないが、テレビ番組にもしっかり対応する姿勢を、今後は高比良が見せていくのではないだろうか。
◆スーパーエリートの今後
そして、テレビ出演を増やせば基盤ができ、今後の新たな活動の足がかりを作れる。そのためにも、高比良がテレビ出演を増やす選択をしても何らおかしい話ではない。
一連の騒動で、スーパーエリートだった芸人人生がガラリと変わった高比良。「テレビに出ない」と言われていた男が、テレビ出演で大復活する姿を見せ、またお笑い業界に波紋を広げてほしい。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆