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兵庫県の斎藤元彦知事らを巡る内部告発問題で、県議会調査特別委員会(百条委)の委員長だった奥谷謙一県議(39)を交流サイト(SNS)などで中傷したとして、県警は4日、政治団体「NHK党」(旧・NHKから国民を守る党)の立花孝志党首(57)を名誉毀損(きそん)や脅迫、威力業務妨害の疑いで書類送検した。捜査関係者が明らかにした。
県警は立花氏の認否や処分意見を明らかにしていないが、立花氏は毎日新聞の取材にいずれの容疑も否定している。神戸地検が今後、刑事責任を問うか慎重に判断する。
立花氏は2024年11月の兵庫県知事選で再選された斎藤氏の当選を目的に立候補し、選挙運動をする「2馬力」の活動を展開。奥谷氏は斎藤氏によるパワハラ疑惑などについて調査する百条委で、委員長として事実解明に当たっていた。
書類送検の容疑は知事選の選挙期間中だった24年10月31日〜11月1日、斎藤氏の疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長が死亡した原因について、奥谷氏が隠蔽(いんぺい)したなどとX(ツイッター)や動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿。奥谷氏の名誉を傷つけたとされる。
さらに11月3日には奥谷氏の後援会事務所兼自宅前で拡声器を使い、「出てこい奥谷」「あまり脅しても、奥谷さんが自死されても困るからこれくらいにしておく」と言って奥谷氏を脅すなどした疑いも持たれている。
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奥谷氏によると、立花氏のこれらの行為の後にSNSや電話による中傷に悩まされるようになった。自宅の周囲をうろつく不審者も現れたことから、身の危険を感じて家族を避難させることもあったという。
奥谷氏が11月、立花氏を名誉毀損容疑で刑事告訴し、脅迫と威力業務妨害の疑いでも被害届を出していた。県警は立花氏から任意で事情を聴くなどして調べていた。
立花氏は今夏の参院選に兵庫選挙区(改選数3)から出馬する意向を示している。【柴山雄太、木山友里亜】
奥谷氏「推移見守りたい」
立花孝志氏は毎日新聞の取材に「書類送検は予想通り。私としては無罪を確信している」などと語り、いずれの容疑も否認した。
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奥谷謙一県議に関するSNS(交流サイト)への投稿に関しては「真実、真実相当性がある」として、名誉毀損(きそん)には当たらないとの認識を示した。
奥谷氏の自宅兼事務所前で行った街頭演説についても「県議の事務所に行ったらたまたま自宅を兼ねていただけ。それも昼間に1回、45分ほどのことだった」と語り、脅迫や威力業務妨害には当たらないと主張した。
一方、奥谷氏は「引き続き推移を見守りたい」とコメントした。
斎藤元彦知事は4日の記者会見で立花氏の書類送検について問われ、「状況を承知していないのでコメントできない」と語った。【栗田亨、土田暁彦】
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