若者らを対象としたライフデザイン講座の様子(リクルートブライダル総研提供) 少子化の背景には、社会が多様化し、結婚をしない人や子を持たない人が増えていることも挙げられる。若い世代からは「子どもを持つことを考えるきっかけがない」との声もあり、ライフデザインを考えてもらう取り組みが始まっている。
こども家庭庁が昨年、20〜30代の約40人に結婚や子育てへの意識調査を実施したところ、「結婚や出産について、そもそも考える機会がない」との意見が目立ったという。そこで同庁は、自治体が大学生ら若者を対象に行うライフデザイン講座への支援を始めた。
リクルート(東京都千代田区)の研究機関「リクルート ブライダル総研」は、自治体などと講座を実施。参加者に初婚の平均年齢など結婚に関するデータや、多様なライフスタイルを紹介した上で、人生計画を立ててもらう。結婚や出産を促すことはしていないが、参加者約1200人に行ったアンケートでは、受講後に子を持つ意欲が強まったと回答した人が10%以上増えたという。
ブライダル総研の落合歩所長は「将来について漠然としか考えていなかった若者が、講座を通して現実的に捉えられるようになったのではないか」と分析。「いろいろな選択肢があるからこそ、情報を得た上で自分にとって最適で納得できる人生を選ぶことが大切だ」と話している。