
【動画】この愛は、膨張して、依存して、暴発する― 『愛はステロイド』予告
1989年。トレーニングジムで働くルーは、自分の夢をかなえるためにラスベガスに向かう野心家のボディビルダー、ジャッキーに夢中になる。しかしルーには、町で警察をも牛耳り凶悪な犯罪を繰り返す父や、夫からDVを受け続ける姉という家族がいた。そんなルーをかばおうとするジャッキーは、思いもよらない犯罪網に引きずりこまれることになり…。
『ミッドサマー』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『関心領域』などジャンルレスな映画を数々手掛けてきたスタジオA24が新たに放つ本作。公開後、大胆で示唆に富んだストーリーテリング、刺激的な演出、そして俳優陣の化学反応が各所から絶賛され、映画批評サイトRotten Tomatoesでは94%フレッシュ(6月3日時点)という高評価を獲得。ゴッサム・インディペンデント映画賞をはじめとする世界各国の映画賞で44ノミネートを果たし、第74回ベルリン国際映画祭にも出品。『ピンク・フラミンゴ』などで知られる鬼才ジョン・ウォーターズが<2024年最高の映画>として挙げた。
メガホンをとるのは、狂信の末に暴走するカトリック信者の看護師を描いたホラー『セイント・モード/狂信』で長編映画デビューを果たし、世界に衝撃を与えた新鋭ローズ・グラス。前作で彼女の才能に惚れ込み北米配給を担当したA24が、本作の製作にあたりFilm4と共に名乗りを挙げた。グラスはその期待に応え、官能的なクィア・ロマンスに退廃的なフィルム・ノワール、デヴィッド・クローネンバーグを想起させるボディ・ホラー、そしてデヴィッド・リンチが愛するシュールレアリズムまで、あらゆるジャンルを横断しながら、映画そのものに“中指を突き立てる”衝撃作を完成させた。
父親を嫌悪しながらもその影響下から逃れられないルーにふんするのは、「トワイライト」シリーズ(2008〜12)でブレイクし、『カフェ・ソサエティ』(2016)、『チャーリーズ・エンジェル』(2020)などの話題作に出演、『スペンサー ダイアナの決意』(2021)では第94回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた実力派クリステン・スチュワート。
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ルーのパートナーとなるボディビルダー・ジャッキーに抜てきされたのは、同じくクィアであることを公表し、かつてボディビル選手として活躍、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』にも出演したケイティ・オブライアン。艶めく筋肉美で力強さを感じさせるルックスながらも、繊細な内面を持つ複雑なキャラクターを見事に体現した。
そのほか、不気味で抑圧的なルーの父親を演じるエド・ハリスをはじめ、ジェナ・マローンやアンナ・バリシニコフなどが出演、これまでのイメージを打ち砕く役に挑戦している。
予告映像は、不穏な音楽に乗せて、愛を紡ぐルーとジャッキーが映し出されるところから始まる。しかし一本の電話で状況は一変。暴力、叫び、銃撃戦…後半は二人の強い愛によって巻き込まれてしまう、衝撃的な事件の数々が展開。そして最後は、衝撃のラストを予感させる映像が。「この愛は、膨張して、依存して、暴発する」「映画史に残るクライマックス」というキーフレーズに期待が高まる、パワフルな予告となっている。
キービジュアルは、筋肉美を誇るボディビルダー・ジャッキー(ケイティ)と、彼女に身を寄せるルー(クリステン)の姿が印象的に描かれたもの。周囲には80年代をイメージさせるネオンのタイトルと、「その想い、過剰摂取につき。」という熱を帯びたコピーが添えられている。
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映画『愛はステロイド』は、8月29日より全国公開。