映画「田村悠人」が6日公開 主演山口祥行と3役の本宮泰風に聞く「日本統一」スピンオフ/前編

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2025年06月05日 10:01  日刊スポーツ

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映画「田村悠人」について語った本宮泰風(左)と山口祥行(2025年5月撮影)

俳優山口祥行(53)が主演する映画「田村悠人」(辻裕之監督)が6日に公開される。2013年(平25)から現在までシリーズ68作がリリースされているオリジナルビデオ「日本統一」のスピンオフ作品だ。山口演じる侠和会本部長の田村悠人が、本宮泰風(53)演じる盟友の侠和界若頭の氷室蓮司を救い出すため、単身で敵のアジトに乗り込む。山口とプロデューサー、脚本、出演の三役をこなす本宮に聞いてみた。【小谷野俊哉】


  ◇  ◇  ◇  ◇


コンプライアンス(法令順守)無視のド派手なアクションで敵を殺しまくる田村悠人。エンタメバイオレンスの世界ならではの展開だ。


本宮「単純に10周年記念でお祭りをやっていこうという中の1つですね。なんか落ち着くところからやっていこうぜということで、映画『田村悠人』っていうのは、結構早い段階で企画が上がってきた」


山口「『日本統一』っていうのが『スター・ウォーズ』シリーズやら『アベンジャーズ』シリーズみたいな感じでね。規模はハリウッド映画とは違いますけど、そういう構成の作りをしているので、僕の順番か、っていうところです」


昨年の秋に撮影。2カ月に1度のリリースで68作まで来ているオリジナルビデオシリーズ「日本統一」の制作を進めながらの撮影だ。本宮演じる侠和会若頭の氷室蓮司が、敵にさらわれる。それを山口演じる本部長の田村が単身で助け出しに行く。いつもは圧倒的な本宮が絶体絶命の危機を迎え、そして抜け出してくる。


山口「かっこいいでしょう。あのシーンは、もっと撮ってくれと思いましたよ。もう身を切るように出てくるというね。監督に、足りねえよ、もっと撮ろうぜって」


田村は単身でアジトに乗り込む。山口が延べ50人にも及ぶ敵を倒しまくる。21年に82歳で亡くなった千葉真一さんが主宰した、ジャパンアクションクラブ(JAC)に13歳で入所した山口ならではのハードなアクションで殺しまくる。


山口「養成所の時は、JACの舞台にアンサンブルみたいなので出されたりするんで、千葉さんと共演させてもらいました。熱く語る方で、よく怒られていました。ちゃんとマラソンとかジョギングしろとかね。その後、映画の『新影の軍団』シリーズでご一緒できた時はうれしかったですね」


敵方で氷室を陥れながら、山口へと通じる河原崎を田島亮(37)が演じる。


本宮「田島はあれですね、なんかコネで入ってきましたから(笑い)。37歳だけど若く見える。深みがないからじゃないかな。中身がないからやりやすかったですよ(笑い)。何でもできる子で、芝居が上手なんですよ」


山口「すごい器用でね。お芝居が上手だし、引っ張ってくれましたよ」


本宮「今回の役柄では闇バイトみたいのに手を染めちゃいますけど、普通の一般人として出てるのはほぼ彼だけなんです。あとは皆任侠(にんきょう)。そこら辺のバランス的な部分を、うまくこなしてくれたなと思います」


侠和会山崎組の謙勇会理事長・山村義明役の川崎健太(29)。山口、本宮と一緒に敵のアジトで大暴れ。まるで3人主役のような大抜てきだ。


本宮「こいつもコネで入って来てました(笑い)」


山口「本宮靖風が所属している事務所にいるんですよ。やっぱり健太は若いし、スポンジみたいに吸収力がある。泰風のところの子ですけど『日本統一』シリーズの中でも愛されている子だから、みんなが押してあげたくなるような存在ではある。皆がやってくれていることを分かった上で、頑張ってああいう画を残してくれるんです。すごく期待できますよね」


本宮「経費削減なんですけどね。ギャラは、僕の言い値でできるんでね(笑い)。『日本統一』シリーズの中で、一番若いので育てたいというのもあるので抜てきですよね。たくさんいるから、その中で一番若くて、まだ20代なんでね。今年30歳というね。でも、川崎に限らず、山崎一門の中の俳優たちが底上げをしてくれるのが、僕は『日本統一』シリーズにとって一番いい形だと思っているんです。今回たまたま川崎健太でしたけど、それぞれにチャンスをあげて、それをうまいことこなしてもらったらいい。彼らは、自分だけのことを考えていればいいと僕は思っているんです。とにかく自分がちゃんとしたら、作品にもそれはプラスになっていくからということで、チャンスをつかんでもらいたいという思いもあります」


最後の場面で重要な敵役を演じるのが神保悟志(62)だ。


本宮「やっぱり、さすがですね。それしか言葉が出てこないです。あの役は本当に難しいなと思ってたんですよ。キャスティングも難しくて、神保さんの演技力にすがる形でお願いしたんですけど、本当に見事に演じ切っていただいたなという感じですね」


山口「現場でも長いセリフを1回も間違えることなく、何回やってもNG出すことなくやっていただいて。僕ら役者だから分かるんですけど、ややこしいセリフなんですよ。一番入りづらいというか、そういうセリフなんですけどね」


本宮「神保さんが一番大変だったのが日暮れとの戦いで、日が落ちちゃったらどうするっていう。最後の爆破とかも、神保さんじゃなかったら成立しなかったと言っても過言ではないぐらいにやっていただいた感じです」(続く)


◆本宮泰風(もとみや・やすかぜ)1972年(昭47)2月7日、東京都生まれ。妻はタレント松本明子。兄は俳優原田龍二。94年(平6)に日本テレビ系ドラマ「シュプールは行方不明」で俳優デビュー。98年ビデオ「ワル外伝」。99〜00年ビデオ「日本極道史 仁義絶叫」シリーズ。13年からビデオ「日本統一」シリーズ主演。14年TBS系「S−最後の警官−」。15年映画「龍三と7人の子分たち」。18年テレビ東京系「駐在刑事」。20年(令2)NHK大河「麒麟がくる」。22年映画「劇場版 山崎一門〜日本統一〜」主演趣味は格闘技、野球。185センチ。血液型O。


◆山口祥行(やまぐち・よしゆき)1971年(昭46)8月6日、東京都生まれ。84年ジャパンアクションクラブ養成所入所。86年TBS「十五少年漂流記〜忘れられない夏休み」で主演デビュー。90年(平2)米ニューヨークへ語学留学。03〜05年、映画「新 影の軍団」シリーズ。06〜07年テレビ朝日系「仮面ライダーカブト」。13年、本宮泰風とダブル主演のビデオ「日本統一」シリーズ開始。24(令6)年映画「ぴっぱらん!!」主演。25年NHK大河「べらぼう」。178センチ。血液型AB。


※川崎健太の崎は、崎の大が立の下の横棒なし

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