ABEMA「国境デスロード」が放送文化基金賞奨励賞「政治的・社会的背景に迫った意欲作」 

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2025年06月06日 18:36  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

第51回放送文化基金賞の「エンターテインメント部門」の奨励賞を受賞したABEMAのバラエティー番組「国境デスロード」に出演した東野幸治とあの

東野幸治(57)と「あのちゃん」ことあのがMCを務めるABEMAのバラエティー番組「国境デスロード」(土曜午後9時)が6日、第51回放送文化基金賞の「エンターテインメント部門」の奨励賞を受賞した。


「国境デスロード」は、23年12月から全8回にわたって放送したドキュメントバラエティー番組。TBS「不夜城はなぜ回る」(22年10月〜23年3月レギュラー放送)を手がけた大前プジョルジョ健太ディレクター(D)が番組の企画・総合演出を務めた。大前D自身が世界各地の国境を訪れて、国境を越える人々に体当たりで取材をするドキュメンタリーバラエティーだ。


受賞を受けて大前Dは「チーム一丸となってやってきたことが目にみえる形として現れたので本当にうれしく思います。デスロードを一緒に走り抜けた仲間に改めて感謝したいです。制作チームが歩む道もまさにデスロードだったので…」と感慨深げに振り返った。さらに「命懸けで国境を越える最中に突然訪れた私たちを快く受け入れてくれた取材先の皆さまにも心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございます」と思いを伝えた。


シリーズ最終話では、「世界一忙しい国境」とも呼ばれるメキシコとアメリカの国境を特集。ドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領再就任を前に、政治情勢の影響で先の見えない生活を強いられるメキシコの移民たちに密着し、その現状に迫った。


命懸けで取材に当たった大前Dは「この番組を通じて、ニュースでしばしば目にする『移民』『不法滞在』という文字がただの文字ではなく、『アメリカに渡ったダニエル君』という風に、顔の思い浮かぶ具体的な名前に置き換わることを願っています。今日も命懸けで国境を越える皆さんに敬意を表して」とコメントした。


公益財団法人放送文化基金(放送文化基金)が主催する同賞は、視聴者に感銘を与え、放送文化の発展と向上に寄与した作品や人物をたたえることを目的として1975年に創設。昨年度に放送・配信された作品から各賞が決まった。「国境デスロード」について「体当たりの取材で、移民たちの懐に入り込み、その希望と絶望の実態や、政治的・社会的背景に迫った意欲作である」と評価した。


大前Dは、「不夜城−」で23年に日本民間放送連盟が選出する「2023年日本民間放送連盟賞」の「テレビエンターテインメント」部門で優秀賞とギャラクシー賞1月度月間賞も受賞した経験がある。

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