新制度、12原発で対応済み=「60年超運転」、本格施行
12
2025年06月07日 07:31 時事通信社

原発の「60年超運転」を事実上可能とするGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法では、運転開始から30年を超える原発は10年ごとに「長期施設管理計画」を策定し、原子力規制委員会の審査を受ける必要がある。規制委によると、本格施行された6日までに電力4社で計12基が新制度に必要な手続きを完了させている。
長期施設管理計画では、従来の点検内容に加え、放射線や熱に長期間さらされることで生じる設備の劣化などを確認することや、使われている部品が将来製造中止となって調達できなくなる事態を防ぐための対応などを盛り込む必要がある。
手続きを済ませた12基の運転期間別の内訳は、30年超が6基、40年超が5基、50年超が1基。ほかに7月に運転開始から30年を迎える東北電力女川原発2号機(宮城県)が審査中だ。
事業者別では関西電力が7基で、九州電力が3基、中国電力と四国電力が1基ずつ。最多の関電では高浜1号機(福井県)が昨年11月に運転開始から50年を迎えており、今年から来年にかけて同2号機と美浜3号機(同)が50年を超える。
新制度では、運転から40年目の時点で劣化状態を詳細に調べる「特別点検」を行うほか、60年目以降も同様の「追加点検」を実施することが定められた。規制委の山中伸介委員長は5月の定例記者会見で「特に60年以降は特別な検査をしていくことになる」と強調。「新しい知見の有無などを慎重に見極めながら審査を進めたい」と述べている。
Copyright(C) 2025 Jiji Press, Ltd. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。