『We Live in Time この時を生きて』© 2024 STUDIOCANAL SAS – CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATIONフローレンス・ピューとアンドリュー・ガーフィールドが共演、A24が北米配給権を獲得した愛の物語『We Live in Time この時を生きて』から、フローレンス・ピューが髪を剃るシーンのワンテイク撮影の舞台裏に迫るメイキング映像が解禁となった。
今回解禁されたのは、主人公アルムートが髪を剃るシーンにフォーカスしたメイキング映像。主演のフローレンス・ピューが実際に髪を剃り、ワンテイクで撮影された。
本シーンは、キャストと製作陣の並々ならぬ覚悟が込められた、本作の中でも特に重要な場面のひとつ。病気のため髪を剃るアルムートが、その出来事を家族にとっての「楽しい思い出」に変えようとする、穏やかで美しいシーンだ。
2023年、突如披露されたフローレンス・ピューの坊主ヘアは、ファッションイベントやレッドカーペットの場にて注目を集め、SNSやメディアでも大きな話題に。そのヘアスタイルは、本作に深く寄り添った役作りの一環だったことが、今回の映像で明らかになった。
その後も、伸びてきた髪を幾度もカラーチェンジするなど、常に大胆な変化を見せてきたフローレンス・ピュー。印象的なヘアスタイルの背景にあった、知られざる役作りの秘話も明かされている。
はじめて脚本を読んだときの心境について、「脚本での髪を剃るシーンは、とても美しく、幸福感や生命感に満ちていました。映画のメッセージが深く理解できました」と語り、まさに一発勝負の撮影だったにも関わらず、心穏やかに当日を迎えたという。
一方で、彼女の髪を実際に剃ったのは、共演のアンドリュー・ガーフィールド。フローレンス・ピューとは対照的に緊張しながら撮影に挑んだそうで、「人の頭を剃るなんて初めてでドキドキしました。しかもカメラの前で」と撮影時の様子を率直にふり返っている。
当初、スキンヘッド用のカツラでの撮影を想定していたというジョン・クローリー監督も、「彼女は初めて会ったときこう言った。“この役のために髪を剃る”」と、フローレンス・ピューの言葉に驚いた当時のエピソードを明かしている。
それに対してフローレンス・ピュー自身は、「剃らない選択肢はなかった。このような役柄では演技の内だもの」とまっすぐに語る。
髪を剃るという現実の行為と、ワンテイクの緊張感。その両方が合わさることで、その瞬間の美しさとアルムートを演じた彼女の勇気を、圧倒的なリアリティで捉えることに成功している。
監督は、続けて「我々は時間をかけて、物語ではない現実感を描き出していく。頭を剃るというのは、明らかに現実の行為で、役柄にとって極めて重みのあることだ」とワンテイク撮影の意義を語った。
また、このシーンを含む多くの場面は、手持ちカメラによる至近距離の撮影で行われている。2人の心の機微を繊細にとらえるために採用されたこの撮影方法は、カメラマンとフローレンス・ピューの間に豊かでクリエイティブな心の通い合いを生み出し、スクリーン上でもその繋がりが輝きを見せている。
実際に撮影を担当した撮影監督のスチュアート・ベントリーは、彼女の演技に胸を打たれて涙を流し、撮影を一時離れなければならないこともあったという。フローレンス・ピュー以外の全員が目に見えてナーバスになっていたという撮影日について、撮影監督のスチュアート・ベントリーも「うまくいくか不安だった。やり直しがきかない一発撮りだったからね」と、当時の張りつめた空気をふり返った。
さらに、アンドリュー・ガーフィールドは娘役を演じた子役の演技を絶賛する。「娘役を演じた子役は存在感のある名女優だ。彼女のおかげで自然に演じられた。絆と愛を感じることができたよ」と語るように、娘役のグレース・デラニーの自然体な振る舞いが、このシーンのリアリティをさらに引き立てている。
最後にジョン・クローリー監督は、「二人とも卓越した感情表現を見せている。特に、二人が笑い合うときの目の輝きが印象的だった。この映画で最も好きなシーンの1つだ」とキャストの演技を称賛する。
キャストや製作陣の熱意が込められた印象的な場面の裏側に注目だ。
『We Live in Time この時を生きて』はTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開中。
(シネマカフェ編集部)