ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)/2025MotoGP第8戦アラゴンGP 初日 6月6日、2025年MotoGP第8戦アラゴンGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、ホンダHRCカストロールのジョアン・ミルは4番手となった。ルカ・マリーニは鈴鹿8耐のテストで転倒した際に怪我を負い、今大会を欠場している。
5戦ぶり今季2度目のダブルポイント獲得となった第7戦イギリスGPの直後、マリーニは5月27〜28日に鈴鹿8耐に向けたHRC(ホンダ)のプライベートテストに参加。そのテスト2日目に鈴鹿サーキットの1コーナーで転倒を喫して大怪我を負い、渡航可能と判断されるまで経過観察入院を余儀なくされることになった。
6月3日にマリーニが今大会を欠場することが正式に発表され、併せて代役は立てられないことも明かされた。そのため、この週末はミルのみの1台体制で臨むこととなる。 初日は朝から強い日が差し、気温25度、路面温度38度でフリー走行1回目が始まった。ミルは、フロントにソフト、リヤにミディアムというタイヤ選択でコースイン。セッション前半は1分49秒台のライダーが多いなか、序盤から1分48秒台のラップタイムを記録した。
ミルは、フロントをハードタイヤに変えた2回目のランでも安定したラップタイムで周回を重ね、ピットイン前のアタックで1分48秒293の3番手タイムをマーク。セッション終盤のアタックランでは、自己ベストこそ更新しなかったものの、周回数を重ねたタイヤで安定したタイムで走り切り、最終的に7番手となった。
続く60分間のプラクティスは、路面温度が47度に上昇し、高温のコンディションとなった。ミルはハード/ミディアムでロングランのシミュレーションを行う。序盤から1分48秒前半で周回し、同じタイヤセットでの2回目のランでは1分48秒中盤とコンマ3秒ほどペースを落とすも、ピットイン前に1分47秒922にタイムを更新し、10番手でセッションを折り返した。
セッション後半は、終盤のアタック合戦に向けて、ミディアム/ソフトに履き替えてショートランを実施。アタックをごとにタイムを上げていき、残り5分の時点で1分47秒439の6番手の位置につく。そして、挑んだ予選Q2ダイレクト進出を争う最後のランへコースインしたミルは、自己ベストを0.486秒も縮め、1分46秒953で3番手に浮上。その後にエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)がまったく同じラップタイムを記録し、リザルト上は4番手となるも事実上の同率3番手となり、ミルは今季3回目の予選Q2へダイレクト進出を決めた。
ホンダ勢においては、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)が好調を維持し、プラクティスで6番手。ソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)は21番手で初日を終えている。
マリーニが欠けるなか月曜にはテストも控え、ミルによるデータ収集がより重要となる今週末はすべてのセッションで転倒が許されない。そのプレッシャーが少なからずある状況で初日トップ4発進は、チームにとってもホンダ勢全体にとってもポジティブな要素になるだろう。
予選ではQ2からのため12番手グリッド以上でのスタートが確定しており、スプリント・決勝レースとも、どんな走りやバトルを見せてくれるのか、今からミルへの期待が高まる初日となった。
ジョアン・ミル(FP1:7番手、プラクティス:4番手)
「テレビではいつも最終結果しか映らないけど、ここ3戦は良い結果にとても近づいていて、今日はついにまとめることができたよ。テレビには映らない部分、つまり、舞台裏でたくさんの努力があるんだ。リヤグリップやリヤ全体のフィーリングを改善し続けていて、今日の結果は偶然やサプライズではなく、来るべくして来ると分かっていた。そして、今回パズルのピースがすべて揃う感覚を得られたんだ。そして、僕らの仕事はどう組み立てるかであり、今日はパズルのひとかけらをうまくはめることができたよ」
「このスタートを最大限に活かして、結果が求められる最高の結果を出したい。トップ5は現実的な目標だと思っているし、挑戦していくよ」
[オートスポーツweb 2025年06月07日]