ロングラン対策のセッティングを探る関口雄飛と、経験を積む小林利徠斗。それぞれの課題に取り組む／SF富士公式テスト

　富士スピードウェイで始まったスーパーフォーミュラの公式テスト。各陣営とも、シーズン後半戦に向けた足掛かりにするべく、様々なテストメニューを用意して臨んでいる。

　そんななか、Kids com Team KCMGは、レギュラーの小林可夢偉がル・マン24時間レース参戦の関係で今回のテストに参加できないため、チームコーディネーターを務める関口雄飛と、4月の第3＆4戦もてぎでSFデビューを果たした小林利徠斗が7号車をシェア。それぞれ課題に取り組んでいた。


■関口雄飛が取り組むロングラン時のセッティング探し

　昨年末の合同テスト以来のSFドライブとなる関口。この日は午後のセッション2を担当した。

　スーパーGTに参戦中ではあるものの、スーパーフォーミュラの車両に乗るのは約半年ぶり。本人もブランクは気にしている様子だったが、「意外と1周目から違和感なく走れました。（体感として）もう少し速いと感じるかなと思いました」と関口。

「この前に乗ったのが冬の鈴鹿テストだったので、コーナリングスピードが速いんです。そのイメージのままSFに乗っていなかったので『ちょっと6ヶ月空いてヤバいかな』と思ったら、意外とそうでもなくて『こんなもんだったっけ？』となりました」と、特に違和感なくテストに入れた様子だった。

　そんな関口が、テストで確認している項目が“ロングラン”だ。

「昨年はすごく良かったのですが、前回のオートポリスで悪くなったのを次のレースに向けて取り戻すセッティングを発見できたらな、と思っています」とのこと。8号車の福住仁嶺と比べても、遜色ないペースを発揮できていたようで、「『意外と悪くないかな？』というところはありました」と、関口も手応えを掴んでいた様子。

　ただ、決勝スティントを想定したロングランをすると課題は浮き彫りになったようで、「10周くらいプチロングランをやって、良かったは良かったんですけど、最後は1〜2周でガクッと（グリップ低下が）きて、これがもっと暑かったら3〜4周前から来ると思います。（レース本番では）ピットストップがありますけど、それでも20周くらいはどちらかのスティントで走らないといけない。そう考えると、もう少しいろいろと探さないといけないなと思います」と語った。

　セッション終盤には左リヤタイヤがバーストしてコースオフ。マシンにもダメージがあったようで、そのままセッションを切り上げることとなった。


■小林利徠斗「チームが変わると、ここまで違うのだと痛感しました」

　もてぎ大会でITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPULからスポット参戦を経験し、デビュー戦からオーバーテイクを披露する走りをみせた小林利徠斗。今回のテストではKids com Team KCMGから参加する機会を得た。

　彼にとっては昨年末のルーキーテストで参加したVANTELIN TEAM TOM’Sを含めて3チーム目の経験となるが、それぞれでクルマの特性に違いを感じる1日だったという。

「もてぎ大会とは違うチームで走って、クルマの特性がけっこう違いました。正直、セッション序盤は違いに戸惑いました」

　そこは、これまでの経験を活かして「走らせ方を変えるというのは、これまでもやってきたところはあるので、1セッションの中である程度合わせることはできたかなと思います。特に問題はなかったです」と、そこまで時間をかけずにアジャストできた模様。

「使っているモノ自体は一緒で、エンジンも一緒のはずなんですけど、今回はテストの進め方だけではなく、クルマ自体も、チームによってこんなにも違うんだなと感じました」と驚いている様子だった。

　1日目に担当したセッション1では、終盤に一時4番手につける1分23秒844を記録したが「ベストタイムは新品タイヤではなかったです。新品でもっとアタックし切れれば、かなり良いタイムは出せたかなと思います」と小林利徠斗。

　全体的にクルマのバランスは良い方向にいっているようで「この良い状態というのも把握しておきたいなと思います」と、自ら吸収していこうとしている姿があった。

　6月7日（土）のテスト2日目も2人で1台をシェアする予定で、午前のセッション3で関口、午後のセッション4で小林利徠斗が担当する予定となっている。

[オートスポーツweb 2025年06月07日]