フェリペ・ドルゴビッチ(キャデラック・ウェーレン) 2024年WEC第4戦ル・マン24時間 アストンマーティンF1のリザーブドライバーであるフェリペ・ドルゴビッチは、来週末のF1カナダGPに、負傷したランス・ストロール(アストンマーティン)の代役として招集されるのではないかという憶測が飛び交うなか、6月14〜15日にフランスで開催されるル・マン24時間レースに向け、「完全に集中」していると語った。
ドルゴビッチは、アクション・エクスプレス・レーシング(AXR)が運営するキャデラック・ウェーレンの311号車キャデラックVシリーズ.Rを駆り、昨季2024年に続きWEC世界耐久選手権のシーズンハイライトで2度目のスタートを切ることになっている。
しかし、ストロールが手首の怪我のため先週末のF1スペインGPを欠場せざるを得なくなったため、アストンマーティンがル・マンと同じ週末にモントリオールで行われるレースにリザーブドライバーのドルゴビッチを招集するのではないかという憶測が拡がっている。
25歳のブラジル人ドライバーは、カナダGPに代役出場する可能性を否定しなかったものの、来週土曜日にはジャック・エイトケンとフレデリック・ベスティとともに311号車キャデラックのコクピットに座るつもりだと述べた。
「またこの場所に戻ってくることができて本当に嬉しい」とドルゴビッチは金曜日のル・マン車検中に記者団に語った。「僕は昨年から、ル・マンは史上最高のレースだと皆に言ってきた」
「今年は昨年よりももう少し計画どおりに、そして少しでも良いレースになることを願っている。とにかく、ここに来てキャデラックを運転できることが嬉しい。このクルマでル・マンを走れることに本当に満足している」
ストロールの代役を務める可能性について、彼は次のように付け加えた。「人生にはあらゆる可能性が存在する。しかし、何が起こるかは誰にも分からない。いま、僕はル・マンに完全に集中している。そして、それが僕にとって必要なアプローチだと信じている」
「他の可能性について考え続けると、気が狂いそうになる。何も集中できなくなるんだ。僕はこの2週間に何もなかったかのように、普通に過ごしたい」
それでもドルゴビッチは、ストロールが彼のホームレースに出場できなくなった場合には、自身がピンチヒッターの第一候補になると明言した。
■“代打の代打”候補は「土壇場で離れたくない」
もし、ドルゴビッチがル・マン24時間レースを欠場することになった場合、311号車のドライバーラインアップ補完するもっとも可能性の高い代役は、AO・バイ・TFチームからエントリーし、LMP2クラス優勝を目指すルイ・デレトラズだろう。彼は北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にウェイン・テイラー・レーシング(WTR)からレギュラー参戦している。
しかし、デレトラズはそのような見通しは「話題になっていない」と主張し、自身はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのチームメイトであるPJ・ハイエットとデイン・キャメロンとともに、セカンダリー・プロトタイプクラスでレースをすることに満足していると述べた。
「確かなことは分からないが、フェリペ(・ドルゴビッチ)がル・マンに出場することは間違いないと思う」とデレトラズはSportscar365に語った。
「僕の理解では、僕はLMP2クラスでレースをすることになっている。そしてそのことを非常に嬉しく思っている」
「このマシンをドライブすることを僕は本当に楽しんでいるし、勝てるクルマなので本当にワクワクしているよ。一度何かにコミットしたら、それをきちんとやり遂げたい。土壇場で放り出すようなことはしたくないんだ」
デレトラズは、8日日曜のテストデーに向けたエントリーリストでキャデラックWTRが走らせる101号車キャデラックVシリーズ.Rの追加ドライバーとしてリストアップされている。しかし、このスイス人ドライバーは、同チームからテストデーには参加せず、日曜は公式テストはAO・バイ・TFのプログラムに集中することを明言した。
「テストデーへの参加についてはかなり前に話し合った。何カ月も前にやった書類手続きだと思うので、単に僕の名前がリストに残っているだけだ」と彼は説明した
キャデラックは、2024年のレースではトリスタン・ボーティエをバックアップドライバーとして起用していたのとは対照的に、今年のハイパーカーチームには公式リザーブドライバーを置いていないことを強調している。
[オートスポーツweb 2025年06月07日]