寺尾聰(78)が7日、16年ぶりの主演映画「父と僕の終わらない歌」(小泉徳宏監督)の舞台となった、神奈川県横須賀市のドブ板通り商店街近くの、横須賀HUMAXシネマズにサプライズで凱旋(がいせん)した。
同劇場は、劇場を挙げての応援体制で、5月23日の公開初日から約3週間を過ぎても、ほぼ満席が続くほどの盛況ぶり。全国の映画館でNO・1の動員を誇っている。寺尾は前日6日に、ニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(月〜金曜午前11時30分)に生出演した際、「たくさん宣伝をしてきたが、今度は突然、劇場に行って、足を運んでくれたお客さんに直接、感謝を伝えたい」と話した。その言葉通り、劇場のスタッフへ直接、感謝を伝えたいと自ら提案し、即、有言実行となる、突然の横須賀凱旋を実現させた。
「父と僕の終わらない歌」は、アルツハイマー型認知症を患いながら、息子のサイモンがYouTubeにアップした1本の動画をきっかけに、16年に80歳でCDデビューを果たし、英国史上最高齢の新人歌手となったテッド・マクダーモットの実話を映画化。寺尾は横須賀で楽器店を営む間宮哲太、息子の雄太を松坂桃李(36)が演じた。
本編の上映が終了し、涙ぐむ観客も多く見られる中、スクリーンの出口に寺尾が現れると、まさかのサプライズに多くの人が「えっ! ホンモノだ!!」「ずっとファンでした!」「映画、たくさん泣きました。最高でした!」などと驚き、感謝、感動を伝える長蛇の列ができた。
寺尾は老若男女を問わず多くの観客がが連なる中、1人1人に「ありがとう、本当にありがとう」と直接、目を見て感謝の言葉を伝え、握手と写真撮影にも応じた。「いやー、うれしいね。楽しかった!」と、ファンとの交流を喜ぶと、今度は日々、映画館を支えて盛り上げる劇場スタッフにも直接、お礼の言葉を伝えて記念撮影。最後に、劇場内に掛けられた作品のバナーに直筆でサインも残した。そして帰り際には「次はどこに行こうかな〜」と言い残し、ニヤリと笑って劇場を後にした。
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◆「父と僕の終わらない歌」 間宮雄太(松坂桃李)は、幼なじみの志賀聡美(佐藤栞里)の結婚式に、父哲太(寺尾聰)の迎えの車が大幅に遅れ遅刻する。哲太は、式場ではいつも通りに陽気で大胆、自慢の歌声を響かせては妻の律子(松坂慶子)や新婦の聡美と新郎のダニエル(副島淳)らを魅了する一方、自宅の場所が思い出せないでいた。後日、専門医(佐藤浩市)を受診し、アルツハイマーと診断される。雄太は恋人の亮一(ディーン・フジオカ)の勧めで、両親を支えるために横須賀の実家で過ごすことになったが、哲太の行方が分からなくなってしまう。何とか父をつなぎとめたいと、愛した音楽を流すと、哲太は自分を取り戻し歌い始める。その姿を雄太はスマートフォンで撮影し、配信すると瞬く間に拡散され、CDデビューの話が舞い込む。プロの歌手になることは哲太の若き日の夢だった。
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