「きっと楽しい」アキュラMSRドライバーたちがル・マンで真剣勝負。「4人が同じ場所で並ばないといいけど」

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2025年06月08日 16:50  AUTOSPORT web

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メイヤー・シャンク・レーシングw/カーブ・アガジャニアンの60号車・93号車アキュラARX-06 2025年IMSA第5戦デトロイト
 アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)のドライバーであるニック・イェロリー、レンガー・バン・デル・ザンデ、トム・ブロンクビスト、コリン・ブラウンの4名は、今季2025年のル・マン24時間レースで、それぞれがLMP2クラスに参戦するというユニークな挑戦を楽しみにしている。イェロリーは「きっと楽しいものになるだろう」と期待する。

 アメリカ・オハイオ州を拠点とするこのチームでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフル参戦している4人のドライバーは、MSRもアキュラ/ホンダも今年のル・マンにエントリーしていないため、LMP2クラスでの栄冠を目指している。

 先週末の『シボレー・デトロイト・スポーツカー・クラシック』で2025年シーズンの初勝利を挙げたばかりのイェロリーとバン・デル・ザンデは、それぞれインター・ユーロポル・コンペティションとユナイテッド・オートスポーツから伝統の一戦に出場する。

 イェロリーは、ウェザーテック選手権のLMP2レギュラーであるトム・ディルマンとクバ・スミエホフスキーとともにポーランドチームの43号オレカ07・ギブソンに乗り込み、バン・デル・ザンデはピエトロ・フィッティパルディとデビッド・ハイネマイヤー・ハンソンとともにユナイテッドの22号車オレカをシェアする予定だ。

「きっと楽しいだろう」とイェロリーは語った。「全員が同時に同じ場所に並ばないといいけど……少し混乱してしまうかもしれないからね!」

「普段はチームメイトである彼らと、ライバルとして真剣勝負できる唯一のチャンスになると思う」

「言うまでもなく彼らは皆、速いドライバーばかりだ。そして、その週末に彼らの何人かとホイール・トゥ・ホイールで競い合って優勝できたら最高に楽しいだろう」

 バン・デル・ザンデはこう付け加えた。「もし、どこかで突然フリーのスリップストリームを使うことができたら、それはきっとチームメイトの誰かに違いない」

「僕たちは皆とても仲が良く、お互いを理解し合っている。僕らはMSRという組織の中で大きな目標、全体像を念頭に置いているんだ」

「ル・マンで全員がLMP2クラスで戦うのは、ユニークで楽しいはずだ。このクラスは競争がとても激しいので楽しみにしている」


■ブラウンは2度目のプロ・アマ優勝を狙う

 ニールセン・レーシングで、ナビーン・ラオとジェム・ブリュックバシェと24号車オレカをシェアするブラウンは、アキュラMSRの4ドライバーの中で唯一、ブロンズレーティングのドライバーが必須のLMP2プロ・アマクラスに参戦する。

 彼は同クラスでの優勝経験があり、2023年にクラウドストライク・レーシング・バイ・APRとともに栄冠を手にした。

 ブラウンもまたル・マンへの出場を「楽しみ」にしている。「4人全員が参戦するのでなおさらだ。素晴らしいものになるだろう」

「全員がそれぞれ違うプログラム、違う契約で戦うのは、それだけで楽しいと思う」

「もちろん、ニック(・イェロリー)とトム(・ブロンクビスト)はELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのフルスケジュールをこなしている分、僕たちのなかでおそらくもっとも経験が豊富だろう。僕とレンガー(・バン・デル・ザンデ)はル・マンに飛び込むけだからね」

「レースで何が起きるかを見るのが楽しみだ。もちろん、僕たちは長い間そこにいることになるから、気心の知れた顔ぶれが揃っているのは嬉しいよ」

 ブロンクビストは、予選で4人のドライバーが互いにトウ(スリップストリーム)を提供し、助け合うことを提案した。

「全員がそこに行って、同じレースに出場できるのは素晴らしい」と彼は語った。「まだトップクラスで戦えないのは残念だけど、それでも本当に素晴らしいイベントだ」

 ブラウンが述べたように、ブロンクビストはイェロリーとともに、アキュラMSRでのウェザーテック選手権への参戦と並行して、ELMSのフルシーズンプログラムに取り組んでいる。

「幸運なことに今年はカレンダーの都合上、ELMSにも出場できるようになった」と彼は語った。「それは僕にとって非常に幸運なことで、つねにドライブの機会がある」

「ある人から連絡があり、『一緒にドライブしてみないか』と誘われた。アレックス・マリキンだった。彼はLMP2に関しては正直言って初心者で、多くのことを学んでいる最中だ」

「彼は以前はブロンズドライバーだったが、LMGT3でWECのタイトルを獲得し、今回シルバーに昇格した。彼にとってそれは大きな一歩で、本当によくやっていると思う。ご存知のとおり、彼はレースを始めてまだ4年ほどだが、まったくの初心者からここまでの活躍をしているのはは本当にすごいことだと思う」

「37号車オレカのチームメイトは僕とトリスタン・ボーティエだ。彼はアメリカで多くの経験を積んできた。CLXピュア・レクシングは小さなチームで、以前はクール・レーシングとして知られていた。良いチームだよ。彼らは過去にル・マンで速いマシンを持っていたので、今回も強いマシンを走らせられることを期待している」


■将来はアキュラ/ホンダのハイパーカーで

 2016年にLMP2クラスで世界三大レースのひとつにMSRとアキュラ/ホンダは今年のグリッドにいないものの、ブロンクビストは、もしホンダがWEC世界耐久選手権のハイパーカー・プログラムにゴーサインを出せば、将来的にそうなる可能性に依然として期待していると述べた。

 ル・マンに出場したいハイパーカーメーカーにとって、WECへのフルシーズン参戦は必須条件だ。

「そうなることを願っている」とブロンクビストは語った。

「しかし、それは僕の給与水準や組織内での僕の立場では到底無理な話だ」

「残念ながら僕はその決定には関与できないが、ドライバーたちはきっとそうなることを臨んでいるはずだ」

「現実的にはどうなるか分からないが、実現したら素晴らしい。そうなることを願っているよ」

[オートスポーツweb 2025年06月08日]

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