ル・マン24時間テストデーのセッション1で最速タイムを記録した83号車フェラーリ499P(AFコルセ) 6月8日(日)、フランスのサルト・サーキットでWEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースを前にした『テストデー』が始まった。午前10時から3時間にわたって行われたセッション1では、フェラーリAFコルセの83号車フェラーリ499P(ロバート・クビサ/イェ・イーフェイ/フィル・ハンソン)が最速タイムを記録している。
第92回を迎えるル・マン24時間レースのプラクティスは11日水曜から開始、決勝は14〜15日に行われるが、このレースウイークを前にして、8日に午前3時間、午後3時間の計6時間のテストセッションが設けられている。
舞台はフランス西部サルト県ル・マンに位置するサルト・サーキット。ブガッティ・サーキットの常設部分と公道区間をつなぎ合わせた、1周13.626kmの正式名称『ル・マン24時間サーキット』がこの日一年ぶりに“出現”し、ル・マン24時間レースに参戦する3クラス62台の車両がサルトの地を踏みしめた。
前日まではぐずついた天候に見舞われたル・マンだったが、テストデーの朝はやや雲が多いながらも晴れ。太陽光の下は暑く、日陰では風が吹くと肌寒いコンディションとなった。気温は16度ほどだ。
10時のセッション開始とともに、ピット位置がもっとも1コーナー寄りのBMW Mチーム WRTの2台のBMW Mハイブリッド V8を先頭に各車がコースインすると、テストデーから多くの観客で埋められたスタンドからは、拍手と大歓声が起こった。
序盤にデブリ回収のための短いFCY(フルコースイエロー)が導入され、続いて開始45分すぎにはセーフティカーが導入。これはポルシェカーブで発生したLMP2クラスの34号車オレカ07・ギブソン(インターユーロポル・コンペティション)のアクシデントによるものだった。
ハイパーカー上位勢は3分29秒台に入れていき、セーフティカー導入時点では6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)のローレンス・ファントールが3分29秒002で首位に立ち、20号車BMW、特別リバリーで今大会にエントリーしている7号車トヨタGR010ハイブリッド(トヨタGAZOO Racing)がトップ3を形成する形となった。
セーフティカー・ピリオドはは40分ほど続き、決勝を想定した『パスアラウンド』等の整列手順も行われたあと、セッション折り返しを迎える直前にグリーンフラッグとなる。各車が連続周回へと戻ると、311号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレン)のジャック・エイトケン、83号車フェラーリのクビサが全体ベストを更新。クビサは3分27秒010にまで最速タイムを縮めている。
セッション終盤にかけては38号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)らがタイムを上げてくるなか、残り20分を切って8号車トヨタGR010ハイブリッドのブレンドン・ハートレーが3分28秒083へと自己ベストを縮め2番手へ浮上。ハートレーはさらに3分28秒000までタイム縮めたが、83号車フェラーリには届かずチェッカーを迎えた。
このセッション首位はサテライトの83号車フェラーリ、8号車トヨタが続き、3番手以下は38号車キャデラック、最終アタックでアントニオ・ジョビナッツィが自己ベストを更新した51号車フェラーリ(フェラーリAFコルセ)、311号車キャデラック、6号車ポルシェ、20号車BMW、50号車フェラーリ、7号車トヨタ、5号車ポルシェというトップ10のオーダーとなった。
LMP2クラスでは、16号車オレカ07・ギブソンのRLR Mスポーツがセッション首位。CLXピュア・レクシングの37号車、インターユーロポル・コンペティションの43号車がトップ3となった。
LMGT3クラスは87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)がトップタイム。2番手に21号車フェラーリ296 GT3を挟み、3番手にも78号車レクサスが入っている。4番手には木村武史の57号車フェラーリ(ケッセル・レーシング)がつけた。佐藤万璃音の95号車マクラーレン720S GT3 Evoはクラス9番手となっている。
午後のセッション2はこのあと、現地時刻15時30分から3時間にわたって行われる予定だ。
[オートスポーツweb 2025年06月08日]