2025年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) 6月8日、イタリア・サルディニア島で2025WRC世界ラリー選手権の第6戦『ラリー・イタリア・サルディニア』のデイ3が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのセバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。また、日曜のみの総合順位でポイントを競う“スーパーサンデー”ではカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が最速となった。
そして、日本人ラリードライバーの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5位/スーパーサンデー6位でラリーを終えた。そんな第6戦を終えた各陣営より、ドライバーたちのコメントが届いている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/総合32位
「ステージ2での出来事(編注:Mスポーツの3台がデイリタイア)から、チームにとっては残念な週末となったが、スタッフたちは僕たちを路上に戻すために素晴らしい仕事をしてくれた」
「第7戦ギリシャが間近に迫っているので、またラリーに戻ることがとても重要だったんだ。いろいろなセッティングを試し、可能な限りの距離を走ってデータを収集することができたので、ギリシャをより良いイベントにできることを楽しみにしている」
●ジョシュ・マッカーリーン(#55 フォード・プーマ・ラリー1)/総合34位
「今週末はたくさんの良い学びがあった。いつかこの経験を活かして、ラリー初日に1番で出走できるようになることを願っている!」
「それでも今週末1番言いたいことは、チームの全員に心から感謝しているということだ。前回のサービスでも、左フロントのダンパーを7分で取り付けるという大仕事をしてくれたんだ。彼らには大きな称賛を送りたい」
「それに、ギリシャに向けて良い学びが得られただろうと期待している。今回のことは、WRCでは順調な金曜日を過ごす必要があることを間違いなく示していたね」
●ジョルダン・セルデリディス(#9 フォード・プーマ・ラリー1)/総合25位
「ラリーを総合25位で終えることができた。エントリーリストを見てトップ30が目標だと思っていたので、予想よりも良い結果だ。金曜日に横転して約3分の後れを取ったものの、25位でフィニッシュできた」
「もちろんMスポーツにとっては、金曜日に3台のマシンがクラッシュするなど、最高のラリーとは言えなかった。しかし、メカニックたちのおかげでマシンの修理ができたので、土曜日と日曜日もラリーを続けることができた」
「もうひとつの良い点は、(自身のホームラリーである)ギリシャへ向けていくつかテストを進められたことだ。近いうちに素晴らしい週末を過ごせることを楽しみにしている」
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#1 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合19位
「全体的にこの週末は期待外れだった。とくに金曜日は不運が多かったと感じている。何が悪かったのかまだわからない。どういうわけか、平坦なコーナーでマシンのコントロールを失い、リヤ全体が損傷したんだ」
「その時点から、僕たちが何かしら挽回できる可能性が残っていたのは最終日のボーナスポイントだけだった。出走順を考慮すると、5ポイントを獲得したことは悪くない。僕たちはすぐに好転して見せるよ。チームはそれに値するし、全員が懸命にプッシュしているので、そうなることは確実だ」
「ただ、次のギリシャは厳しいものになるだろう。路面は非常に荒れていて、マシンにダメージを与えやすい。しかし、昨年は出走順1番でも勝利することができたので、5番手スタートの僕たちにとってさらに有利になるはずだ」
●オィット・タナック(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合2位
「この週末は、走行中に良いリズムとバランスを見つけるのに苦労していたので、今日は限界に挑戦する気持ちで臨むことはできなかったが、僕たちは最大限の努力をした」
「非常に厳しいラリーだったし、またしてもセバスチャン(・オジエ)に次ぐ2位で終わるのは悔しいものだ。彼は今週末力強い走りを見せたが、現時点で僕たちにはトヨタに勝つための完全な準備が整っていないということなのだろう」
「ステージは非常に過酷だったので、できるだけ多くのポイントを獲得するためにプッシュする必要があることはわかっていたが、同時にとてもクリーンで巧みな走りも必要だったので、それが課題だった」
●アドリアン・フルモー(#16 ヒョンデi20 Nラリー1)/総合20位
「サルディニアでも序盤はトップ争いをしていたが、その後何かが起こり、トップ争いが止まってしまったラリーだった」
「今日の新しいステージでのペースには満足しているし、この週末から得られるポジティブな点もいくつかある。そこから学ぶことでネガティブな点をポジティブな点に変えていこうと決心したよ」
「僕たちには確かに改善できる点がある。目標はクリーンなラリーだったが、残念ながらそれは実現しなかった。だからギリシャでそうできるように全力を尽くすつもりだ」
■TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合4位
「全体的には、この週末の結果に満足している。金曜日に出走順がトップだったことを考えれば、現実的にみて4位は最上の結果だと思う」
「このラリーはつねに消耗戦となるため、大きな問題なく最後まで走り切ることが非常に重要だったんだ。トップ3のペースはかなり速かったが、ポジティブに感じる点もあり、とくに再走ステージのコンディションではフィーリングに関して明らかに進歩が見られた」
「自分たちにとって、これはギリシャに向けてポジティブに思える材料だ」
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合3位
「今週末の結果には満足している。金曜日はロードクリーニングの負担が大きかったが、その後はクリーンかつクレバーなドライビングを続け、日曜日には最大限のポイントを獲得できた」
「パワーステージでは全力で走ったが、あのような道幅が狭くてスローなセクションでのフィーリングは良くなかったので、大きなタイム差がついたことに驚いたし、ポイントを獲得できたのは良かった」
「ペースという点に関しては、サルディニアの週末としては自分にとって過去のなかでも、もっとも良かったと思うので、良いクルマを用意してくれたチームに感謝している」
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合優勝
「この勝利を手にできたことが本当にうれしい。オィットとの接戦が最後まで続き、今朝は少しリードを築くことができた」
「最後のパワーステージでは、フルポイントの獲得は狙っていなかったものの、轍と戦うことになり、タイトなコーナーで捕まってしまった。そこでは、クルマを止めてバックする判断を下した。理想的とは言えず、日曜日に得られるはずだったポイントは失ったが、我々のメインターゲットである優勝を狙うにはまだ余裕があった」
「ラリー・ポルトガル以降、テストを行うことなくクルマのセッティングとスピードを改善したチームは素晴らしい仕事をしたと思う。クルマは運転を楽しめる仕上がりで、より容易に良いタイムを記録できた」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合5位
「予想通り非常に厳しい週末でしたが、総合5位でフィニッシュできたのはそれほど悪いことではありません」
「週末を通じて横転や他の問題に直面しましたが、このようなラリーでは起こり得ることです。最終的にはクルマに自信を持つことができました」
「パワーステージではプッシュを試みたのですが、終盤ミスを犯し、非常に柔らかくて滑りやすい路面でスタックしてしまいました。ですので少し複雑な気持ちですが、次のギリシャに向けては良い方向に進んでいると思います」
■TGR-WRT2
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/総合7位
「自分たちにとっては難しい最終日だった。良いフィーリングのままフィニッシュするつもりだったが、最初のステージで何かに当たり、サスペンションに小さなダメージを負ってしまった」
「それでも、リエゾン区間で修理を試みた結果、走行を続けることができた。その後、一番重要だったのはフィニッシュまで到達してポイントを獲得することだった」
「昨日までは自分たちにとってポジティブな週末だったと思う。より自然にスピードが上がるようになったので、ギリシャに向けて何か得られるものがあったと思う」
[オートスポーツweb 2025年06月09日]