
ヘルシーな食材として人気の糸状のこんにゃく。スーパーには「しらたき」「糸こんにゃく」の名で並んでいます。そもそも、しらたきと糸こんにゃくの違いって?
日本こんにゃく協会に聞いた
日本こんにゃく協会(東京都千代田区)に、しらたきと糸こんにゃくの違いを尋ねると、「基本的には『東西で呼び名が違うだけ』という認識でよろしいかと思われます」。
同協会が発表した2023年度のこんにゃく加工品の輸出実態調査を見ると、製品名に板こんにゃく、こんにゃく麺などとともに「糸こんにゃく(しらたき含む)」とあり、同じグループに分類していることが分かります。
歴史をさかのぼると、江戸時代ごろには関東と関西で作り方に違いがあったそうです。
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「昔は作り方の違いで、関西の作り方の主流である板こんにゃくを細く切ったものを『糸こんにゃく』、関東の作り方の主流である凝固剤を加えてシャワー状に湯の中に細長く出して固めたものを『しらたき』と呼んでいました。現在では東西どちらでもしらたきと同じ作り方をしますが、関西では昔のまま糸こんにゃくという呼称が使われています」(同協会担当者)
担当者は、同じ製法になっても昔の呼称が定着し、現在まで残ったのではないかーーと推測します。
ちなみに「しらたき」のネーミングは、白い滝のように見えることが由来だといわれています。
大手コンビニでも違いが
「セブン-イレブン・ジャパン」(東京都千代田区)が店舗のレジカウンターで冬季に販売するおでん。
公式サイトの具材一覧を見ると、「おでん 味しみ白滝」「おでん 味しみ糸こん」の2種類があり、それぞれ販売エリアが違っています。
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「味しみ白滝」の販売地域は、北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、中国、四国、九州。一方の「味しみ糸こん」は近畿のみ。
同社によると、商品自体は同じですが、「地域でなじみのある呼び方を商品名としております」(セブン&アイ・ホールディングス広報担当者)。
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実は6月初旬、兵庫県内でこんな出来事がありました。
歩道で信号待ちをしていると、道端に見慣れぬ物が。パッケージには「糸こんにゃく」。長ネギの落とし物は見たことがあったのですがーー。写真を知人らに見せると「糸こんやん」「しらたき!?」「糸こん…?落とした人かわいそう」など、呼び名が二分しました。
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「しらたき」と「糸こんにゃく」。あなたはどっち派?
(まいどなニュース・金井 かおる)