
今から6年前、Xユーザー・もかんさん(@mikanno_mikan)は、譲渡サイトでルディ色の赤みがかった被毛と、優しげな表情を浮かべるアビシニアンの「猫さん」(男の子)に目が留まりました。
早速、里親希望の旨を連絡。性格や普段の様子などを教えてもらい、数時間かけて他県の譲渡先まで足を運びました。ところが、現地で知らされたのは、予想もしなかった内容だったといいます。
「猫さんは、幼少期に猫風邪を患い、右目から常に涙が出る後遺症があると言われました。両親は“チャンピオンCAT”で、兄弟たちはすぐに譲渡先が決まったのに、この子だけは残ってしまったと…」
さらに、譲渡元のブリーダーからは「自分が譲ってもらった猫を繁殖させることは禁止されている。このままでは破棄するしかない」とも言われたのだそうです。
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「内心『なんてひどい……』と強い憤りを感じました。でもそのとき、『私がこの子を幸せにする』と自然に思ったんです」
こうして、猫さんは推定1歳のとき、飼い主さんの家族として迎えられました。
人懐っこさで“作業中断”!? 工事業者もメロメロに
猫さんとの生活が始まってから、飼い主さんはその穏やかさに何度も驚かされました。
「嫌な場所を触ってしまったとき、一瞬だけ“噛むそぶり”を見せるんですが、すぐに表情を変えて、手をペロペロ舐めてくれるんです。甘噛みすらされたことがないんですよ」
また、猫さんは早朝に騒いだり起こしたりすることも一切なし。
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「先代猫は毎朝4時に『遊べー!』と顔を叩いてきたんですが、猫さんはまったくそういうことがなくて。朝は静かにひとりで遊んだり、家の中をのんびり歩いたりしていて、本当におしとやかなんです」
猫さんの優しさは、家族だけに向けられるものではありません。
「あるとき家の水道工事があったんですが、作業員さんのそばにピタッと寄り添っていて(笑)。『かわいすぎて作業できません!』って言われたこともあるくらい、人懐っこい子なんです」
人間好きな猫さんーーこれからもともに幸せに
現在6歳を迎えた猫さん。日々のちょっとした仕草にも、飼い主さんは心を癒やされています。
「ごはんが欲しいときは、無言で私の正面にちょこんと座って、じっと見てくるんです。鳴いたりせずに、ただ静かに…。私が食事しているときや本を読んでいるときには、ふと気づくと体にぴたっとくっついて毛づくろいしていたりして。そんな優しさがうれしいんです」
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猫さんの行動からは、「人間が好き」という気持ちが自然と伝わってきます。
「本当に優しい子だなって、見るたびに愛おしく思います」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)