39年ぶり“衆参ダブル選”の可能性は「30%」 内閣不信任案の行方は?投票所の投票箱が最大5つになる可能性も…早くも自治体から不安の声【news23】

5

2025年06月10日 15:20  TBS NEWS DIG

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

TBS NEWS DIG

TBS NEWS DIG

「衆参ダブル選挙」の可能性がにわかに浮上しています。選挙の実務を担う自治体からは早くも不安の声が。ダブル選挙の可能性はどれほどあるのでしょうか。

【写真でみる】1980年、1986年の“衆参ダブル選”

解散となれば39年ぶり“衆参ダブル選挙”の可能性

9日、立憲民主党の野田代表が招かれた、日本外国特派員協会での講演。外国人記者も気になるのは…

外国人記者
「立憲民主党が内閣不信任決議案を出して可決されたら、総理は衆議院を解散するだろう。もしそうなったら“衆参ダブル選挙”がありうる」

立憲民主党 野田佳彦代表
「内閣不信任案のお話をされていましたけど、今日は語るつもりはありません。いつも申し上げている通り適時・適切に総合的に判断すると」

国会の会期末まで2週間。最大の焦点は、立憲が“内閣不信任決議案”を出すかどうかです。石破総理と親しい日本維新の会の前原共同代表は…

日本維新の会 前原誠司 共同代表 
「総理になられてから2人だけ、あるいは会合で何度かお会いしておりますけれども、『内閣不信任案が出れば解散する』ということをおっしゃっていた」

仮に不信任決議案が出されて石破総理が“解散”に踏み切った場合、衆院選と参院選が同じ投票日になる“衆参ダブル選挙”の可能性が出てきているのです。

中曽根康弘総理大臣(1986年)
「我々は何も、好んで解散をやろうと思ってやっているのではありません」

衆参ダブル選になれば、当時の中曽根総理が直前まで明かさなかった「死んだふり解散」以来39年ぶり。その前は1980年で、大平総理が解散後に死去し、「弔い選挙」となりました。過去2回しかない“衆参ダブル選”。実際、どのように行われたのでしょうか。

投票所に並ぶのは4つの“投票箱”。当時、中選挙区制だった衆院選と、参院選の選挙区と比例代表、さらに最高裁・裁判官の国民審査で、有権者は4種類投票する必要がありました。そして、投票後すぐに行われる開票作業も、選挙の翌日に持ち越される異例の対応に。

現場の負担増 投票箱は5種類…?

もし今、衆参ダブル選が行われた場合、衆院・参院それぞれの小選挙区・比例代表と国民審査の合わせて5種類となり、投開票の作業が複雑になる恐れがあります。実務を担う地方の選挙管理委員会からは…

四国の選管担当者(news23の取材に対し)
「投票箱が足りないかもしれない。人手も足りない可能性がある」

九州の選管担当者(news23の取材に対し)
「投票箱を5つ置くとなると動線も複雑になり、小さな公民館などでは難しいかもしれない」

現場の負担も増す衆参ダブル選。可能性はどれほどあるのでしょうか。

自治体から不安の声 現場は“てんやわんや”

藤森祥平キャスター:
衆参ダブル選挙になった場合、この投票所にある投票箱が、最大で5つになる可能性があります。ダブル選挙となれば、今の選挙制度になってから、初めてのことになります。自治体から不安の声も上がっています。

東北地方の選挙管理委員会(news23の取材に対し)
「衆院選・参院選・国民審査の3つの投票箱でしのぐことも検討」

衆議院は小選挙区と比例をまとめて1つで行うという形で、投票箱を3つに絞ることは、ルール上可能であるということです。

さらに、開票作業をどうするのか。過去2回と同じように、投票した当日の同じタイミングではなく、翌日に持ち越されて行う可能性も高いということで、いろんな要素が変わってくるのではないかということです。

文芸評論家 三宅香帆さん:
私の地元の高知県も、自治体の人数が足りなさそうだなと思いました。選挙は、自治体や、取材する記者の方など、様々な人の負担で行なわれているということを再認識しました。

“衆参ダブル選”の確率「30%」その鍵を握るのは…

小川彩佳キャスター:
実際に“衆参ダブル選”はどれくらい可能性があるのか。星さんの見立てでは“30%”ということです。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
1986年の衆参ダブル選挙では、中曽根総理が謀りに謀って行いましたが、今回は成り行き任せということです。引っ込みがつかないで、出会い頭の解散の可能性があるということで“30%”と見ています。

ルールから言うと、不信任案が可決された場合は、総理大臣は「解散」か「総辞職」を選ばなくてはいけません。石破総理は「絶対解散するぞ」という思いでしょうね。一方で、「解散」が確実だということになれば、不信任案を出した段階で、解散するというやり方もあります。どちらを選ぶかは、石破総理次第ということになりますね。

小川彩佳キャスター:
その中で鍵を握るのは、どういった動きになりますか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
立憲が不信任決議案を出すわけですから、立憲は賛成します。それから、勢いのいい国民民主も賛成するとなると、維新がどういう態度をとるかです。維新が賛成すれば、野党過半数で可決されることになりますが、維新が反対すれば否決になります。反対すると「政権に手を貸したのか」ということになり、参議院選挙でかなり厳しくなるので、維新次第と言えると思います。

小川彩佳キャスター:
ダブル選に打って出るとなると、政権にとってもリスクを抱えることになりますが、石破総理はどう考えているのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
サミットの前後に、石破総理は「与野党で党首会談をやりましょう」と、非常に大事な時期ですので、「サミットに協力してください。解散どころではない」というメッセージを伝えたいと思われますが、それが野党側に伝わるかどうか。

最終的には石破総理が決断しなければいけない訳ですが、“解散”には、大義名分が必要になります。そこを石破総理がどう説明するかになります。しかし、前回の解散から1年も経っていないので、常識的には、解散の時期ではないような気がしますね。

小川彩佳キャスター:
党利・党略と受け止められてしまい、さらに国民を遠ざけることになりそうですね。

==========
<プロフィール>
星浩 さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年

動画・画像が表示されない場合はこちら

このニュースに関するつぶやき

  • 「政権に手を貸したのか」イシンとミンミンか・・・ 「非常に大事な時期ですので」任せられるかね?
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(4件)

前日のランキングへ

ニュース設定