『ミーツ・ザ・ワールド』©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会杉咲花が主演する、松居大悟監督作『ミーツ・ザ・ワールド』より、新たなキャストが発表された。
本作は、「蛇にピアス」の金原ひとみが歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説の映画化。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛するも、自分のことは好きになれない主人公の新たな世界との出会いの物語。
今回発表されたのは、主人公・由嘉里(杉咲花)が歌舞伎町で出会う住人役のキャスト。希死念慮を抱えた美しいキャバ嬢・ライ役をモデル・俳優の南琴奈。「まだ見つかっていない人に演じてもらいたい」という松居監督はじめ製作陣の思いから、オーディションで満場一致での抜擢となった。
既婚者で不特定多数から愛されたいホスト・アサヒ役を、「silent」、大河ドラマ「どうする家康」、『はたらく細胞』など話題作への出演が続く板垣李光人。初の既婚者役であり、初のホスト役を熱演。
人が死ぬ話ばかりを書いている毒舌な作家・ユキ役を蒼井優。全ての人を受け入れる歌舞伎町に寄り添うBAR「寂寥」の店主・オシンは渋川清彦が演じる。
また、ライとアサヒに導かれるように、その街に迷い込んだ由嘉里、歌舞伎町の街を切り取った写真で構成された第2弾ティザービジュアルも完成。ライの部屋の壁に貼り付けた日常写真をイメージし、由嘉里の変わりつつある内面をフィジカルに表現した。
そして、不安そうな表情の由嘉里が手を引かれるカットと、「新しい世界に連れてってあげるからさ」というナレーションから始まる特報映像が公開。推し活で楽しい日々を過ごすも、仕事と趣味だけで生きていくことに不安を感じる由嘉里が迷い込んだ歌舞伎町。ラストはライの「私死ぬの」という発言で締めくくられる。
これまで無縁だった歌舞伎町の世界で、考え方も生き方も何もかもが違う価値観を持った人たちとの出会いは、由嘉里にどのような影響をもたらすのか、本編への期待が高まる。
コメント
南琴奈
誰かと完全に分かり合うことは難しくて、でもそれで終わりにはしたくなくて。
曖昧なまま残される感情や、交わらない想いの中に確かに存在する温かさのようなものを感じました。
分かり合えないまま共存することで生まれる新しい価値観に気づかせてくれて、
いつまでも心に留めておきたい言葉たちに沢山出会わせてもらえた作品でした。
この作品に携わることができて光栄です。
多くの方に届くことを願っています。
板垣李光人
他人が持っているものはとても輝かしく見えるし、生きていると誰かになりたい瞬間があると思います。
でも実際に誰かに取って代わることはできないし、自分を許容して生きていくしかない。
そんな生き方にそっと肩を寄せてくれる映画になっています。
今回僕が演じさせていただいた、アサヒという人間もそんな1人なのではないかと、寄り添いながら時間を過ごしました。
本当に素敵な方々がこの映画をつくられているので、スクリーンにはフィクションかノンフィクションか曖昧になるような、そんな"今"が広がっています。
そんな中に自分も加われていることに胸がいっぱいです。
この映画が現代社会を生き抜く、誰かの処方箋になれば嬉しく思います。
蒼井優
太陽に照らされた、躍動するような青春とは違う。朝になれば、何事もなかったように置き去りにしてきた、そんな日々を思い出しました。
バカなことばかりで情けないと感じていたあの頃を久しぶりに振り返ってみると、あの過ごし方を選び、あの時間を楽しみきった自分がたしかに存在していたことに、嬉しさが込み上げて来ました。
人知れず抱きしめたくなるような、私にとっては青春映画です。この作品が、ご覧になる皆さまにとって、どのような映画として映るのか、楽しみです。
渋川清彦
転びながらつまずきながら、半歩でも前に進む由嘉里に心を動かされます。
芝居に正解はないと思うが、現場で杉咲さんの由嘉里と向き合い心が動きました。
松居大悟監督は今に寄り添い今を写し、背中をかるく押してくれる。
そういえば蒼井さんと松居監督は長いつき合いらしく、朝方に蒼井さんから聞いた監督の昔話は
眠気をとばしてくれるくらい面白かった気がする。
『ミーツ・ザ・ワールド』は10月24日(金)より全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)